「あれ、迷彩が違う」木更津に揃ったオスプレイと輸送ヘリに感じた違和感 グレー塗装が増えた“今っぽい”切実な理由

オスプレイ納入完了式の際、付近にあった陸上自衛隊の大型輸送ヘリとを見比べると、その形だけではなく迷彩も異なることに気付きました。これはそれぞれの納入時期による違いですが、同時に日本の安全保障環境の変化も写し出していました。

例えばオスプレイが3色迷彩になる日は来るか

 CH-47Jが取得された時代、陸自は内陸部防衛が主任務でしたが、V-22を取得する時期になると島嶼部防衛に重点を置かなければならなくなりました。これが迷彩塗装の違いとして表れており、同じことは空自輸送機C-1とC-2にも見られます。

 C-1は内陸部仕様の迷彩を施されていますが、C-2は海上仕様のグレー系迷彩です。この違いもまた、航続距離が意図的に短く抑えられたC-1の時代と、海外任務にも対応できるC-2の時代の、日本の安全保障環境の変化を示しています。

 このC-1とCH-47JA、C-2とV-22の類似性は先に紹介したキャビン座席のシートベルトにも見られます。C-1とCH-47は腰で締める2点ベルトを使用していますが、C-2とV-22は4点式ベルトを採用しています。これは取得時期によって求められる安全性のレベルが上がったことはもちろんですが、機体特性にも関係しているように思います。

 チルトローター機であるV-22は、飛行中の回転翼機モードから固定翼機モードへの変化時に独特の横向きの加速度がかかります。C-2も大型でエンジン出力が大きいため、横向きの力が強くかかることが共通しています。このため、より体をホールドしやすい4点式シートベルトが必要なのではないかと筆者は考えます。

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CH-47JAと同じような緑・茶系迷彩塗装の航空自衛隊C-1輸送機。老朽化により退役が進んでいる(画像:航空自衛隊)。

 迷彩塗装の違いからシートベルトの仕様に至るまで、細部に現れる変化はその背後にある日本が直面する安全保障環境の現実と適応の一端を垣間見せます。輸送航空隊のCH-47がグレー系迷彩に塗装される、またはV-22が緑と茶、黒の3色迷彩に塗装される時が来るならば、日本の安全保障環境が再び変化したことを意味するかもしれません。

【了】

【写真】陸自へ納入された「オスプレイ」

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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