「東京でも大阪でも同じ電車ばっかりだったよねー」 今や懐かしい「国鉄標準形」 みんな同じで実は違う?
全部で5000両(!)近く作られた近郊形の標準形電車たち
郊外輸送を担う近郊形電車にも「標準形」がありました。
113系・115系
113系および115系近郊形電車は、使い勝手に優れていた3扉・セミクロスシートという設計により、大都市を含めた直流電化路線の近郊区間で重宝された電車です。
まず1962(昭和37)年、111系が東海道線で「湘南電車」として導入され、翌年にはモーターのパワーをアップした113系も出現。さらに同年には、山岳区間でも使用できるよう「抑速ブレーキ」の搭載、耐寒耐雪設備を備えた115系の製造も開始されています。
1983(昭和58)年頃までに111系と113系が合わせて約3000両、115系が約1900両も作られ、まさに「標準形車両」と呼ぶにふさわしい一大勢力を築きました。
現在でも、JR西日本が113系・115系を岡山・下関エリアで走らせているほか、しなの鉄道にも115系が残っています。しかし両数は合計で250両を切っており、完全引退はそう遠くないものと思われます。
なお交流電化区間には401系・403系・421系・423系・415系が投入されましたが、使用線区が広範ではないため、この記事では「標準形車両」に含んでいません。
165系
急行形電車153系の出力増強版として生まれた163系を元に、山岳路線・寒冷地でも使用できるよう開発されたのが165系です。1963(昭和38)年に登場し、直流急行形電車の標準形式として1970(昭和45)年までに約700両が製造されました。
なお修学旅行用の167系、旧信越本線の横川-軽井沢間(いわゆる「横軽」)でEF63形電気機関車と協調運転ができる169系も、165系グループに含まれます。
こちらも本州の直流電化区間ではどこでも見られた車両です。急行のみならず普通列車にも使用されるなどオールマイティに活躍しましたが、167系・169系ともに現存車はありません。
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