「サンライズ」でお馴染み個室寝台「ソロ」 登場時は別物だった!? 安価なりの大変貌とは
寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に連結されている1人用B個室寝台「ソロ」。その始まりは寝台特急「北斗星」でした。それからリーズナブルな個室寝台として走り続ける「ソロ」の36年を紹介します。
設備は違うが同一料金
日本で唯一の定期寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」では、B寝台は全て個室寝台ですが、B寝台が初めて個室となったのは、1984(昭和59)年に登場した4人用B個室寝台「カルテット」でした。
「カルテット」は、側廊下式の開放型B寝台車の区画を個室扉で仕切ったもので、座席はソファを折りたたんで寝台にでき、普通のB寝台よりも昼間時の座り心地に優れていました。しかも、4人利用時の寝台料金は普通の二段式B寝台と同額だったので、割安感がありました。
ただし、3人以上でなければ利用できないことからあまり普及しませんでした。1987(昭和62)年、寝台特急「あさかぜ」用に2人用B個室寝台「デュエット」が登場すると、B個室寝台は拡大。ちなみに「カルテット」「デュエット」は4重奏、2重奏を意味する音楽用語です。
そして1988(昭和63)年に新設された、寝台特急「北斗星」用の1人用B個室として登場したのが「ソロ」です。「ソロ」は2階建て構造の個室寝台でした。
この最初の「ソロ」は、個室幅1.22~1.26m、奥行1.945mで、寝台幅は68~70cm、個室高さは平屋が2.5m、2階は1.4mでしたが、入口部分は2mあり、どちらも立って着替えができました。
この時期のA個室寝台「シングルデラックス」は個室幅1.2m、奥行1.945m、寝台幅70cmでしたので、天井が高く洗面台がある以外の優位点はなく、「ソロ」は非常に好評でした。
このタイプの「ソロ」は翌年、JR九州も寝台特急「はやぶさ」「富士」用として投入しました。こちらは「北斗星」用のように、A個室寝台「ロイヤル」との合造車ではなくオール「ソロ」でしたが、定員はわずか20人でした。開放型A寝台の定員が28人であり、A寝台より定員が少ないB寝台ということです。
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