オーストラリア人「ジャパンの戦闘機なぜ青い?」空自も参加のお祭り 韓国軍の方がアピール上手か?

韓国空軍の方が上手だった!?

 今回のオーストラリア派遣の主な目的は国際共同演習に参加することでしたが、このような一般イベントに参加することも、日本の外交や国際政治においてプラスになるといえるでしょう。

 航空自衛隊以外の他国空軍もそのあたりの事情は理解しているようで、各ブースではさまざまな方法で自国空軍のアピールを行っていました。

 戦闘機などが描かれたポスターの配布や、機体の詳細情報が書かれた解説パネルなどを設置するのは当たり前。最も多かったのはグッズ販売で、Tシャツやパッチ(部隊マークなどを模したワッペン)などを並べて売っており、普段は戦闘機などに興味がない一般人も来場の記念に買っていました。

 ちなみに、韓国空軍ではブース前でゲームを行い、得点に応じてオリジナルの記念コインやTシャツなどを無料で配布しており、珍しい形でのアピール活動を行っていました。

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韓国空軍のブースでゲームの景品をもらう子供。ゲームに参加すれば無料でもらえた((布留川 司撮影)。

 自衛隊では航空祭などのイベントで物販を行うことができないため、海外であってもこうした他国軍のような活動をそのまま行うことは難しいでしょう。

 しかし筆者は、せっかくの航空自衛隊と日本の存在感をアピールできる場で、もっと改善するべき部分があったようにも感じました。

 たとえば、日本国内で各地の地方協力本部が募集・広報の一環で行っているシールや缶バッジの配布を、同じように現地住民向けに実施するだけでも違うでしょう。何もパッチやTシャツを売る必要はないのです。ポスターや自衛隊機の写真を来場記念で渡すだけでも好感度は上がるはずです。

 F-2戦闘機は日本でしか運用されていないレアな機体であり、そのメーカーである三菱の名前は海外においても知名度があります。

 戦闘機を実際に飛ばしてその能力を示すことも重要ですが、地元住民に既存のノベルティを活用した広報活動を行うことも、今後、航空自衛隊や日本が海外との交流を深めていくうえで必要だと、現地を取材して実感しました。

【了】

【漢字珍しい?】ダーウィン市民や他国兵士らと交流する空自隊員たち(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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