50ccスクーターが消滅ってホント!? 圧倒的人気もなぜ?「原付一種」免許の行方は

厳しさ増す排ガス規制への対応がムズすぎる!

 50cc原付の新車がなくなる理由は、2022年11月から施行された「平成32年(令和2年)排出ガス規制」にあります。これは世界でもっとも厳しいと言われる欧州の「EURO 5」とほぼ同じ基準にあるとされています。50cc原付に関しては技術的にクリアが難しいことから3年の猶予が与えられていましたが、その期限が2025年11月に迫っているのです。

 一酸化炭素や窒素酸化物などの排気ガスは、浄化装置であるマフラー内の触媒によって浄化を行うのですが、規制値をクリアするには触媒を300度以上の高温にする必要があります。エンジンの発熱量が小さい50cc原付の場合、触媒が機能する温度に達するまでには4分ほど必要で、その間は汚れた排気ガスが素通りする形になります。

 バイクメーカーによれば、コストをかければ規制をクリアするのも難しくないそうですが、その場合は新車価格を大幅に引き上げなければ採算ラインに乗せることができないとのことです。

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愛好家の多いホンダ「スーパーカブ50」もその対象(山崎 龍撮影)。

 2000年代まで欧州で製造されていた50ccエンジンを搭載したモペッド(エンジン付き自転車)やスクーターは、すでに生産終了もしくは電動化されており、排気量50ccのミニバイクは世界的に見ても市場が衰退しています。

 延命させても輸出はほとんど期待できず、また値上げによって国内需要の先細りが予見されることから、日本のバイクメーカーもやむなく50cc原付の生産終了へと舵を切ったようです。

 それでは現時点で、50cc原付に乗っているユーザーは今後どうしたらよいのでしょうか。

【欧州映画ではお馴染み?】愛用者も多いフランス製原付「モペッド」です(写真)

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