50ccスクーターが消滅ってホント!? 圧倒的人気もなぜ?「原付一種」免許の行方は

現在使用中の50cc原付と中古車購入は問題なし

 まず、過去に遡って規制が適用されることはないので、現在使用中の原付はそのまま乗り続けることができます。これは規制前に製造された中古車を買う場合も同様です。

 問題は新車に買い替えるときで、50cc原付が生産終了する2025年11月以降は、50cc原付と同じ原動機付自転車一種に区分される定格出力0.6kW以下の電動バイクを選ぶか、近く登場が予定される「新基準原付」のいずれかを選ぶことになります。

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EVバイクは普及するか。写真はホンダの「EM1e」(画像:ホンダ)。

 原付一種規格の電動バイクは、国内メーカーでは、すでにホンダとヤマハが新車販売を行っています。電動バイクは環境に優しく燃料代が掛からないというメリットはあるものの、航続距離が短い、充電に時間がかかる、車両価格が高いという運用面のデメリットがあり、用途によっては代替することができません。

 そこで警察庁は有識者検討会を開催して議論を重ねており、2023年末に50cc原付に代わる「新基準原付」のあり方について報告書をまとめています。その中で最高出力を4kWに制限し、新基準に適合した125cc以下のバイクを50cc原付と同じ車両区分とし、原付免許で乗れるようにすることが適当、との結論が下されていました。

 新基準原付の道路交通法上の取り扱いは原付一種と変わりがなく、制限速度30km/h、2人乗りの禁止、二段階右折の義務付け、ナンバープレートの色は50cc原付と同じ白色とするとのこと。また、構造的には51~125ccまでの原付二種と基本的に同一となることから、出力を変えるような不正改造ができないような構造になる模様です。

 すなわち、「新基準原付」は事実上125ccまでの原付二種のデチューン版ということになります。排気量拡大により登坂能力の引き上げやABS/CBSの採用による安全性の向上などが見込まれる反面、50cc原付に比べて燃費が低下したり、車両価格がアップしたりといった懸念点もあるようです。

【了】

【欧州映画ではお馴染み?】愛用者も多いフランス製原付「モペッド」です(写真)

Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)

自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、カワサキZX-9R、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか

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