125ccを50cc扱いにする「新基準原付」制度ほぼ決まり 「あとは税金だけ」総務省は首を縦に振るのか?

“原付”の基準を変える――税制上は一大事!?

「新基準原付」は、「最高出力」で定義されているため税制にない――税制改正の手続きを踏むことを総務省は求めたわけです。そこで経産省が代表となって地方税の中の軽自動車税を改正する要望につながりました。

 この要望に関して、総務省は今後、約2か月かけて要望省庁と協議します。そこでは要望内容を認めるか否かの判断はされず、11月をめどに開催される自民党と公明党の国会議員で構成される与党税制調査会で検討されることになります。結論は税制調査会が2024年末に公表する令和7年度税制の大綱に示されます。

 さらに、その方針に沿った地方税法改正案が国会に提出された後に、国会での議決を経て新基準原付税制が決まります。

 なぜ、これほど審議の時間が必要なのか――大きな要因は、総務省が税制改正の必要性を判断した後に、省庁間の合意形成に参加するのをやめてしまったことです。

 税制における車種区分「種別割」は、四輪車の場合は、道路運送車両法の省令に連動しています。たとえば、仮に登録車との線引きが排気量360ccから660ccに引き上げられると、税制でも線引きが引き上げられるので、税制改正要望は必要ありません。しかし、税制におけるバイクの車種区分では、排気量125ccまでに50cc以下、90cc以下、125cc以下と税制独自の車種区分が存在しているため、“原付の基準”を変えるだけで、国会審議を必要とする大がかりな手続きが必要とするのです。

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手軽なスクーターに代表される原付。実は125ccまでのなかで税制区分が3つに分かれる(画像:写真AC)。

 しかし、総務省は、こうした独自に決めた「種別割」について、自ら改革しようとはしませんでした。

【もしかしたら原付免許で乗れるように?】125ccの主なラインアップ(画像)

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