NATO加入で”空の祭典“にも変化アリ? ズラリ並ぶ新型戦闘機… スウェーデン空軍の最新状況
デビュー前の「新型グリペン」も
デモフライトの最後はオランダ空軍の空中給油機・輸送機A330MRTTの後に「グリペン」戦闘機と「タイフーン」戦闘機が並んで空中給油するデモも行われました。
一方、地上展示でも多くの機体が所狭しと並べられています。特に人だかりができていたのが、スウェーデンでは初公開となるノルウェー空軍の戦闘機F-35Aです。これは航空自衛隊も導入中のアメリカ製ステルス戦闘機ですが、他国のモデルとは異なり、ノルウェー独自の要求で着陸減速用のパラシュート「ドラグシュート」を格納するためのコブが背中に設けられているのが特徴です。
ショー前日には基地の外から多くのファンが見守るなか、F-35Aがドラグシュートを使用して着陸する光景が見られましたが、ショーではノルウェー政府からデモフライトの許可が出なかったとパイロットの1人は話してくれました。
ロンネビーの第17航空団にも配備されている「グリペン」は、単座のグリペンCと複座のグリペンDに加え、現在テスト中のグリペンEも展示されていました。
「グリペン E」は、既存のC/D型と比較して、コックピットに大型ディスプレイが搭載されたほか、エンジンも今までのF404よりも強力なF414に変更されています。この新エンジンのおかげでアフターバーナーを使用しなくとも超音速巡航できる、いわゆる「スーパークルーズ」を可能としています。なお、グリペンEの部隊への引き渡しは来年から始まる予定です。
今回のロンネビー航空ショーはスウェーデン空軍がすでにNATOの一員であることを強く印象付ける内容であったと感じました。
【了】
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事
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