「何もない」「駅どこ?」な終点がここまで変わった!「ゆいレール」延伸5年 さらなる延伸は“モノレールで大丈夫”なのか?
将来は “ゆいレールじゃ足りない”?
この土地はアメリカ海兵隊普天間飛行場の北、県道81号ぎのわんヒルズ通りから北に一段下がったところに広がり、東京ドーム11個分にあたる約50.8ヘクタールの面積を有しています。
再開発の核となるのは「沖縄健康医療拠点」で、すでに琉球大学が大学病院を含む「西普天間キャンパス」の設置を決定、2025年1月の外来診療開始、同年4月の医学部・研究科開学に向け、急ピッチで準備が進んでいます。
また同じ再開発エリア内には都市公園、住宅の整備も予定されており、将来的に人の往来が増えることが予想されています。
そうした人々のアクセス手段として、沖縄県は、ゆいレールの延伸の可能性について検討を開始、「古島駅から普天間方面」と「てだこ浦西駅から普天間方面」の2ルートについて調査し、2025年度にその結果を公表するとしています。
報道によると、現時点で具体的な路線の距離や駅の位置は決まっていないとのことですが、古島駅からの延伸であれば「国道330号浦添バイパス-国道330号-普天間交差点付近」もしくは「国道330号浦添バイパス-県道153号-国道58号-県道81号-普天間交差点付近」のいずれか、てだこ浦西駅からであれば「いったん沖縄自動車道を渡り、西原ICを回り込むようにして国道330号-普天間交差点付近」が現実的に想定されるルートではないかと思われます。
ただこの普天間地域の再開発については、さらに大きなテーマも待ち構えています。それは1996年に日米で合意した「普天間飛行場の全面返還」です。
同飛行場の返還が実現すれば、いま再開発が進む西普天間住宅地区跡地の約9倍、約476ヘクタールもの新たな土地が生まれます。この土地の再開発で生まれる新たな人の流れに対応するためには、地域交通としては有用ながら、所要時間のかかるゆいレールだけでは不十分で、ゆいレールと住み分け可能な新たな鉄道路線の敷設などが必要になるかもしれません。
ゆいレールの延伸可能性については、そうした将来のさらなる発展も織り込み、検討が進むことを期待したいと思います。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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