カブシリーズ“不遇の名車”新型が完璧すぎる!? 25年乗った私が、どうも購入に踏み出せない理由
待望の製品版発売 でも、なんか違う…
CT110とは比べ物にならないほどの最新の機能性と合わせれば「より完成度が高められた」と言えますが、CT110の良い意味での野暮ったさ、バイクというよりも道具みたいな感じが好きだった筆者にとって、正直なところ「完璧なバイクすぎて、なんか自分の身の丈に合わない」という印象も受けました。
ここでいったん購入を保留にしましたが、以降、街中で多くのCT125を見かけるようになりました。コロナ禍の公共交通機関の利用控えの影響で、この時期はバイクが売れたと言われますが、バイク初心者にとってCT125の乗りやすさはまさにニーズにマッチしたのではないかと思います。
ただし、この「街中でよく見かける」感じも、筆者にとっては購入を躊躇する理由の一つでもありました。
こだわり深くクセのあるバイクやクルマなどに乗っているとき、信号待ちなどで同車種と並んだときの妙な気まずさ、照れ臭さがあります。お互いに意識していることを背中で感じあったりして、信号を前に「早く青になってくれ」と願うこともあり、仮にCT125同士が並んだ場合をイメージすると、少々臆するところがありました。
ただし、このようにCT125の購入を筆者が躊躇するいくつかの理由は、人によっては、「だから良いんじゃないか」と思うものでもありましょう。そして、現行のミニバイクの中では機能性やデザインなどにおいて、CT125がやはり群を抜いて素晴らしいモデルでありヒットする理由もよくわかります。
筆者は25年もの長きにわたっての相棒だったCT110の面影が今も頭に残り、CT125にやや馴染めないままですが、そろそろ下駄車の買い替え時期でもあります。改めてCT125を次なる下駄車候補にし、購入を検討したいと考えています。
【了】
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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