「ほぼ中国」の至近距離が「台湾」のワケ 緊張感バチバチの島「金門島」どんな場所? 背景に日本人

台湾の離島のなかで、中国大陸の眼と鼻の先に位置する「金門島」。4年半ぶりに一部の渡航が解禁されました。中台関係の緊張感が最も間近に伝わる島がなぜ“台湾”になったのか。その背景には日本人がいました。

蒋介石が応援を求めた日本人

 中国河北省に進駐していた根本は敗戦確定後、国境線を越えてソ連軍が侵攻してきたことから、日本本国の命令を無視し武装解除せずに、しばしソ連軍に応戦しました。この間に時間稼ぎをし、数万人もの居留日本人を安全に引き上げさせ、後には中国東北部にいた日本軍の将兵たちをも日本に帰国させることに成功しています。特に将兵たちの帰国実現は、国民党の総統・蒋介石の力を借りた上でのことでした。

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美しい海岸沿いに無数の上陸防護柵が張り巡らさせる金門島(2016年、松田義人撮影)。

 全ての将兵を日本に帰国させ、最後に根本も帰国を果たしましたが、それから約2年後、蒋介石率いる国民党の密使が根本の元を訪れます。

 当時、国民党軍は毛沢東率いる共産党の内戦に手こずり、台湾に追い詰められる格好になりました。根本の手腕をよく知る国民党軍は、秘密裏に国軍の応援要請を依頼しに日本へやってきたのでした。

 かつて日本軍の将兵の帰国に尽力してくれた蒋介石に恩義を抱いていた根本は快諾。家族に「釣りに行ってくる」と言い残し、港から小さな船に乗って台湾に向かいます。

 台湾に着いた根本は蒋介石と再会し、劣勢だった国民党軍の支援をすることを約束。ここで国民党軍の軍事顧問となり、中国福建省へと渡ります。

 このエリアは共産党軍の優勢でしたが、ここで根本が注目したのが他でもない金門島でした。金門島への共産党軍の上陸をわざと許し、その際の船を焼き払った後に奇襲するという作戦を立てて見事成功します。共産党軍はこれだけ近い金門島を前に手出しできなくなり、結果的に台湾を得られなくなりました。

 任務を終えた根本はそれから3年後に帰国。その時、根本は姿を消した際と辻褄が合うよう、わざと釣り竿を片手にしていたという、なんとも洒落たエピソードもあります。

【なんと生々しい】これが「金門島」の内部です(地図/写真)

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