「“戦車大国”やめます」「やはり復活します」方針転換に高い壁 手放した代償はどれだけ大きい?

かつては戦車大国だったオランダ。しかし世界が融和ムードになりつつあった冷戦後、財政上の理由もあり戦車を手放しました。ただ、ロシア・ウクライナ戦争を機に方針転換。戦車復活を急ぎますが、空白だった期間は想像以上に痛手です。

同盟国とはいえ様々な壁が…

 そこでオランダはドイツに協力を依頼しました。モスボールされていたレオパルト2A6はドイツに送られ、オランダ軍の通信システムにリンクできる仕様のレオパルト2A6MA2に改修されます。しかし予算の制約で、車体所有権をドイツに売却し、リース料を支払ってオランダ軍が使うというリースバックとせざるを得ませんでした。

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ラトビアでNATO合同演習に参加したレオパルト2A6。ドイツ軍の鉄十字標識とオランダ陸軍のライオンエンブレムが描かれている(画像:NATO Enhanced Forward Presence in Lithuania)。

 2016(平成28)年には、オランダ軍の約100名の兵員と18両のレオパルト2A6MA2で1個中隊が編成され、ドイツ連邦軍第414装甲大隊に統合されました。指揮権はドイツ軍が持っており、現在でもオランダには正式な戦車部隊は存在せず、「戦車のカン」を取り戻そうと必死に努力している最中です。

 オランダとドイツは同盟する隣国で文化的にも近いのですが、相互運用性は言うほど簡単ではありません。まず言葉が違い、部隊内ではドイツ語が使われるので、オランダ軍人は全員習得する必要があります。

 また、部隊運用はドイツのシステムで行われます。オランダ軍人は「隣国ではありますが、私たちはまったく同じ人々ではありません。(中略)緊張を生み出すことがあります」と漏らします。双方の運転免許証の扱いから、平時にドイツの衛生兵がオランダ兵への医療行為を実施できるのか、オランダの整備士がドイツ軍の戦車を修理することができるのかなど、教育や資格といった実務的な問題までを一つひとつ解決しなければなりません。

 2022年2月にロシア・ウクライナ戦争が勃発すると、ロシアとの対決は決定的となり、2024年9月5日に発表されたオランダの防衛白書では、戦車部隊の完全な復活が計画されました。国防予算は大幅に増額され、新型戦車の導入が検討されています。導入される戦車は明言されていませんが、最新型のレオパルト2A8でほぼ確定と見られています。

【写真】オランダ国旗を掲げたドイツ戦車!? 鉄十字の入ったレオパルト2

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