「横浜から“秩父”へ行けるんですか!」 西武Sトレイン“最長系統”のイマ 8年目でも“知る人ぞ知る”6路線直通

西武鉄道の有料座席指定列車「Sトレイン」は、平日と土休日で走行区間が大きく異なります。ただ、土休日に走る横浜市内では8年目を迎えた今も、その認知度は決して高くないようです。

土日のSトレイン、発車前の予約率は

「座れる、直通」と銘打った西武鉄道の有料座席指定列車「Sトレイン」は、土休日のみ、元町・中華街(横浜市)~西武秩父(埼玉県秩父市)間で6路線、距離にして110km超を直通運転しています。全線乗り通すと2時間20分弱かかるだけに着席需要は高そうですが、「正直なところ苦戦している」(関係者)との証言も。実際に乗って検証しました。

 Sトレインがデビューしたのは2017年3月で、平日のラッシュ時に座って行き帰りする東京メトロ有楽町線直通の通勤客の獲得を狙って生まれました。座席方向を転換できるタイプの西武40000系を使い、クロスシートの状態にして走らせています。

 平日と土休日でルートが異なる有料座席指定列車は一部ありますが、Sトレインほど行先も役割もガラリと変えるのは異色です。東京メトロ副都心線と東急電鉄東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線にまたがる小竹向原~元町・中華街間を走るのは土休日だけです。

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東急東横線を走る西武鉄道40000系の「Sトレイン」(大塚圭一郎撮影)

 西武が力を入れる観光地・秩父へいざなう一翼を担うSトレインですが、「苦戦している」のは事実でしょうか。西武秩父線開通55周年を記念して横瀬車両基地と西武秩父駅前でイベントが開かれた10月12日、元町・中華街7時46分発の西武秩父行きSトレイン1号に乗りました。

 発車の約10分前には西武のチケットレスサービス「Smooz(スムーズ)」を閲覧し、どれだけの座席が予約されているのかを調べました。自転車の持ち込みが可能なサイクルトレインに使う10号車を除く9両の座席(410席)のうち、いずれかの区間で予約されていたのは約35%に当たる145席でした。

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