「オカンのバイク」が達成した恐るべき“世界初の偉業”とは? ホンダ“伝説の実用バイク”シャリイを今こそ称えたい!
ホンダの歴代ミニバイクのなかでも、特に実用性を重視し、27年にわたり生産されたモデルが「シャリイ」です。隠れた名車といえる「お母さん向け」のバイクは、世界初の偉業も成し遂げました。
一時は「ダックス」の3、4倍の台数を誇るヒットバイクに
1960年代後半にホンダが切り開いた「レジャーバイク」というカテゴリー。近年、リメイクされてヒットしている「モンキー」「ダックス」「CT125」なども、元々はこのレジャーバイクの代表的モデルでした。
レジャーバイクというカテゴリーを切り開いたのは、日本国内では1969年に発売された「モンキーZ50A」です(当時は「〔ニュー〕モンキー」とも)。元々は多摩テックの遊具だったミニバイクを、海外からのニーズを受け市販。主にアメリカなどの広大なアウトドアシーンで、子どもが遊ぶために開発され「車載できる仕様」が大きな特徴でした。
他方、「お父さんはアウトドアシーンでクルマか大きめのバイクで遊べるし、子どもはモンキーで遊べる。なら、お母さんが遊べるバイクも作ってあげたい」と開発されたのが「ダックス」でした。当初の「ダックス」も「車載できる仕様」で、これまたアウトドアシーンで「お母さんが遊ぶためのバイク」でした。
その「ダックス」をさらに日本国内のファミリー向けにアレンジした印象のファミリーバイクが1972年に発売された「シャリイ」です。いまや“隠れた名車”と言える存在かもしれません。
お母さんが安心して乗れる仕様
初代発売時の正式名称は「シャリイ・ホンダ」。低床バックボーンフレームを採用し、シートとハンドルの間を大きく“えぐる”ことで乗り降りのしやすさを実現しています。
また、「スーパーカブ」と共用のエンジンを搭載し、安定した走行性能を満たす一方、初代の50ccモデルはローとトップだけの2速ロータリーエンジンでした。これらの機能によって、そうバイクに乗り慣れない人でも安心してまたがることができました。
果たして「シャリイ」は、当初ホンダが設定した「月産7000台」を乗り越え、発売から4年後の1976年に、また7年後の1979年にはそれぞれマイナーチェンジモデルが発表。特に1979年のモデルは、「ダックス」の販売台数を3?4倍も上回るヒットに至りました。
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