ゴジラと戦った異形の戦闘機「震電」プロペラ後ろ向きの外観どんな意味が? じつは実機あります

終戦直前に初飛行に成功した旧日本海軍の試作戦闘機「震電」。敵の爆撃機を迎撃できるよう高速かつ優れた上昇能力を追い求めた結果、エンジンを後ろ向きに搭載し、機首に小翼を取り付けた異形の戦闘機として誕生しました。

アメリカでは実機の胴体が、日本では実物大模型が展示

 ただ、このように機体の開発は順調に進んだものの、搭載予定であった「ハ43」エンジンの開発を担当していた三菱重工名古屋工場が、1944(昭和19)年12月から翌1945(昭和20)年1月にかけて断続的にアメリカ軍の爆撃を受けたことで、スケジュール通り進まなくなり、結果、全体の開発スケジュールは遅延しています。

 そのようななか、1945(昭和20)年6月に「震電」の試作1号機が完成、蓆田(むしろだ)飛行場(現福岡空港)へ機体が運ばれます。翌7月には、設計者である鶴野正敬技術大尉による滑走試験中、機首を上げ過ぎたことにより、機体後部のプロペラ端が地面に接触してしまうという事故を起こしました。なお、このときプロペラを試作2号機用の物へと換装するとともに、以後プロペラが接地しないよう左右の垂直尾翼の下側に小輪を付けるという改修が行われています。

 こうして機体修復を終えた「震電」は同年8月3日、初飛行に成功。続く6日と8日にも試験飛行を実施したものの、エンジン不調が発生したため、予備部品を三菱重工から取り寄せている最中に終戦となり、結局「震電」が空を舞ったのは前出の3回で終わりとなりました。

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旧日本海軍が開発した局地戦闘機「震電」(画像:アメリカ海軍)。

 なお、終戦後「震電」の試作1号機はアメリカ軍に接収されたのち、10月には調査・研究のためにアメリカ本土に船で送られています。その後、複数のパーツに分解され、アメリカ国立航空宇宙博物館へ収容。長らく眠っていましたが、現在は機首部分のみ開梱のうえ、公開展示されています

 また、福岡県筑前町にある町立大刀洗平和記念館には「震電」の実物大模型も展示されています。ほかにも同館では旧海軍の零式艦上戦闘機(零戦)三二型や、旧陸軍の九七式戦闘機乙型の実機も展示しているため、それらと「震電」を見比べることで機体サイズや構造の違いなどを実感することが可能です。

【了】

【現存唯一!】これが現代に残る「震電」です(写真)

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