ボロボロの「歩道橋」撤去か維持か これから始まる“大量撤去時代” 知恵絞る自治体

歩道橋は老朽化が進行しており、撤去するケースも増えています。しかし、撤去できないという場所も多く存在し、各自治体で対応に迫られています。

半数以上が半世紀前に作られたもの

 車道や鉄道を跨ぐようにかけられた「歩道橋」が、数を減らしています。特に車道に架かっている横断歩道橋は多くが老朽化し、自治体が対応に迫られています。

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老朽化し、改修工事をうける歩道橋 (乗りものニュース編集部撮影)。

 横断歩道強の多くは、今から半世紀前の1970年代、交通事故での死者数増加による社会問題となった「交通戦争」の時代に作られたものです。例として中国地方整備局が管理している県の横断歩道橋を建設年次でみると、2022年度の段階で、建設から約50年以上経過した歩道橋が全体の55%を占めます。

 国土交通省によると、2022年度の時点で、全国の歩道橋は1万1786橋とされています。全国的にも築50年以上を経た歩道橋がかなりの数を占めるため、経年による老朽化でどんどん限界を迎えると予想されており、大量撤去の時代がやってくると予想されています。

 また、歩道橋はベビーカーを利用する人、車椅子などを使う障がい者、お年寄りなどにとって “バリア”になっている側面もあり、バリアフリーの観点から撤去して信号と横断歩道にしてしまう例も多数あります。

 東京都の場合、「横断歩道橋の取扱いについての基本方針」を改定し、役割を終えた歩道橋の撤去を2008年7月から進めています。撤去の条件として「歩道橋に隣接して横断歩道がある」「利用者が12時間で200人未満」「通学路の指定がない」などがあります。全国的にも似たような状況で、需要の少ない老朽化した歩道橋から撤去が進んでいます。

 逆に言うと、どうしても横断歩道を設置できない場所もありますが、その場合、維持管理の費用がネックになってきます。

 そこで各自治体は様々な方法で維持管理費を得ようと試みています。たとえば、歩道橋のネーミングライツ(命名権)を民間に販売する手法。埼玉県のさいたま市では、一部の歩道橋について1橋あたり月額2万5000円以上という条件で、2015年からネーミングライツのパートナーを募集し、正式名のほかに、法人名や商品名、ロゴマーク、キャッチフレーズなどを橋桁に表示することができるとしています。

 ほかにも関東地方整備局では、腐食が進行している横断歩道橋について、早急に適切な措置を行うことを目的に、合理的な補修補強の判断に役立てるべく「歩道橋の改良復旧(リノベーション)のための補修補強ガイドライン」を策定し、2022年下半期から運用を開始。撤去こそ続けられているものの、歩道橋を維持しようという動きも起きています。

【ああ、サビサビ…】老朽化により撤去される役目を終える直前の歩道橋(写真)

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