日本最速の“無人運転”列車に乗ってみた 速い・静か・眺めイイ!! もともと開発は航空会社!?

とにかく静か 振動もなし!

 猛烈に加速しているはずですが、走行音はほとんどせず、振動も極めて静か。東京~大宮間で低速走行している新幹線と同等か、それ以上の乗り心地です。

 土曜日の午前中、3両編成の座席は大半が埋まり、まずまずの乗車率でした。リニモは地下から急勾配を上り、はなみずき通りの前で高架線に出ます。

 リニモの最急勾配は60パーミル(1000m進むと標高が60m上がる坂)であり、鉄道では対応しづらいほどの急坂を進みますが、100形はほとんど速度を落としませんでした。走行システムが異なるとはいえ、リニア中央新幹線に、新幹線としてはあり得ない40パーミルの急勾配を採用した理由が分かります。

 イオンモール長久手と直結している長久手古戦場駅では、多くの乗客が入れ替わりました。その後、トヨタ博物館が近い芸大通駅で親子連れが下車。観覧車が見える愛・地球博記念公園駅で、外国人観光客が下車しました。ジブリパークや愛知県立大学への最寄り駅です。

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終点の八草駅。土曜日の午前中、ここまで利用する人は少なかった(2024年9月、安藤昌季撮影)。

 列車はガラガラとなり、周囲に緑が増えてきました。愛知県陶磁美術館に近い陶磁資料館南駅を出ると、10時44分に終点の八草駅に到着しました。この駅は愛知環状鉄道と乗り換えられますが、その乗り場へ向かったのは筆者を含めて数人だけでした。

 リニモはとても乗り心地がよく静かな交通機関であり、また高速と、よくできていると感じました。様々な事情があるにせよ、こうしたタイプの新交通システムが普及しないのは、残念に感じられました。

【了】

【写真】無人運転! リニモの車内を見る

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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