ステルス戦闘機は“強すぎて”大変!? 空自「F-35乗り」育成する苦労とは 唯一無二の飛行隊トップが激白!
航空自衛隊が導入を進める最新鋭ステルス戦闘機F-35A「ライトニングII」。この戦闘機パイロットになるためには、必ず配属される飛行隊があります。そこのトップにF-35戦闘機のスゴさを聞きました。
第5世代戦闘機は伊達じゃない!
戦闘機の空中戦といえば、多くの人が映画『トップガン』のような激しいドッグファイトを連想するでしょう。しかし、現実の空中戦では戦闘機はミサイルによって遠く離れた距離で交戦します。加えてF-35Aは、優れたステルス性と高性能センサーによって、非ステルス機に対してはそれを一方的に行えるだけの能力を持っています。
ゆえに、F-35Aを操縦するパイロットに必要な能力は、敵機をドッグファイトで圧倒できるだけの操縦技術よりも、接近する前にそれを迎撃できる戦術的な考え方と状況認識能力の方だといえるでしょう。
「現在、302飛行隊には、それぞれ異なるバックグラウンド(これまで操縦してきた戦闘機や任務)を持つ戦闘機操縦者たちが所属しています。個々の経験や視点を持ち寄り、互いの長所を活かして切磋琢磨し、同じ目標に向かって個々の能力を向上させています。隊長としての私の役割は、飛行隊としての進むべき方向性(目標)を示すとともに、彼らの成長を支えることです。組織としてのパフォーマンスを最大発揮できるよう隊員とのコミュニケーションを重視して日々勤務しています」(反田2佐)
防衛省/航空自衛隊は、F-35Aに加えて垂直離着陸が可能なB型の調達も決めており、両タイプ合わせて147機を導入する計画です。今後は石川県の小松基地と宮崎県の新田原基地に新しい飛行隊が作られる予定です。ただ、前述したような理由から、これら新編部隊でパイロットとなる隊員たちは、ここ第302飛行隊で最初に訓練を受けることになります。
飛行隊の隊員たちは、通常の任務と機種転換教育課程の訓練という2つの任務を行っているため、非常に忙しい日々を送っています。しかし、自分たちの活動が今後の航空自衛隊の未来を形作ると認識しているからか、極めて士気旺盛で意識高く任務に従事していたのが印象的でした。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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