「母ちゃんこのバイクならどう!?」 ホンダの超カワイイ「ママさんバイク」の系譜 自転車みたいな“ラッタッタ”

1960年代から80年代にかけてのホンダは、幅広い層を取り込もうと、様々な「女性向けバイク」「ファミリーバイク」を生み出し続けました。自転車のような細いフレームや、女性が乗りやすい低床系バイクの系譜を振り返ります。

低床系のモデルは1年ごとに成長し、名を変えた“出世魚”状態に

●バリエ(1977年)

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当時小学生だった筆者は、ロードパルという名称ではなく、テレビCMで見た「ラッタッタ」という名称なのだと誤解していた(2024年、松田義人撮影)。

 ロードパルの大ヒットで弾みをつけたホンダは、1977年に「男女ともに乗れるファミリーバイク」として「バリエ」をリリース。ホンダ独自のVベルト式オートマチック採用車で、ノーチェンジ・ノークラッチタイプ。オレンジとブラックのカラーリングは、どことなく読売ジャイアンツっぽい雰囲気があります。

 低床のアンダーボーンフレームでもあり、乗りやすく扱いやすいバイクでしたが、ロードパルほどのヒットには至らず、発売翌年の「シャレット」にモデルチェンジされるカタチで生産終了。今となっては、ファミリーバイクの中でも最も希少な存在となっています。

●シャレット(1978年)

 バリエで目指したとおぼしき「男女さまざまなニーズに応えるファミリーバイク」の思いは、かえってユーザーに曖昧な印象を与えたのか、後継車「シャレット」ではより女性ユーザーを意識した作りになった印象。ヘッドライトは低い位置へ移動し、その上にフロントバスケットがつきました。また、カラーリングも女性が好むような優しく淡いものとなりました。

 ただし、このシャレットもまた翌年リリースの「カレン」にモデルチェンジ。バリエ以降、どんどん名前を変えていったアンダーボーンのファミリーバイクの系譜のうち、中盤に当たるモデルとなりました。

●カレン(1979年)

 バリエ、シャレットに続き新たに登場した「カレン」は、その名の通り、より可憐となった印象のファミリーバイク。バリエやシャレットよりもさらにフロアステップが低くなった一方、フロントバスケットが深くなり、細部の見直しが施されているのがわかります。

 ここまでの低床系ファミリーバイクの1年ごとのモデルチェンジと名称変更は、まるで出世魚のようにも感じますが、カレン以降は1983年まで、ロードパルとともにホンダのファミリーバイクの2モデルとして生産され続けました。

 しかし、1980年代前半から巻き起こったスクーターブームによって、ロードパル・カレンともにその役目を終え双方とも生産終了になりました。

【超カワイイって!!】これがホンダの「ママさんバイク」たちです!(写真)

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