「中央線グリーン車」はどれだけ“稼げる”のか 特急すらお役御免も問題なし? 驚きの投資効果を試算

JR中央線快速と青梅線では、ダイヤ改正をもってグリーン車のサービスが始まる一方、特急「はちおうじ」「おうめ」が廃止されます。グリーン車導入にかかる巨額の投資で、輸送力と収益はどのくらい確保できるでしょうか。

むむ、公式発表よりもかなり「稼げる」計算だぞ…?

 まず1日あたりの収益は、グリーン料金と利用者数の掛け算で求められます。中央線快速のグリーン料金は、距離の違いや交通系ICカード「Suica」利用の有無で異なりますが、ここでは最も安い50kmまでのSuica料金で750円として計算します。

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中央線快速のグリーン車は、大月駅まで運転される(2024年12月、柴田東吾撮影)。

 次に利用者の数は、グリーン車の定員と乗車率、1日あたりの列車本数で計算します。定員は1両あたり90人で、1列車では180人です。また、乗車率は6割と仮定します。列車本数は平日で約580本、土休日で約510本ですが、年間の平日を245日程度として、ここでは1日560本として計算します。

 こうして数字を割り当てると、1日あたりの収益は、750円×180人×0.6(乗車率)×560本=4536万円となりました。年間では4536万円×365日=約166億円となります。

 先の決算資料によると、年間の増収効果は約80億円としていますので、倍以上の収益と試算されました。この計算では乗車率を6割としましたが、乗車率を約3割として試算するとJR東日本の数値と合うことになります。ラッシュ時間帯は満席になることが予想されますが、早朝・夜間や土休日では空席が目立つことを見込んでいるのかもしれません。

 ところで、グリーン車の導入に合わせて廃止される特急「はちおうじ」「おうめ」は、ライナー列車(着席列車)の「中央ライナー」「青梅ライナー」に代わって2019年3月のダイヤ改正で誕生したもので、「はちおうじ」は東京~八王子間で、「おうめ」は東京~青梅間で平日のみ運転されています。いずれも朝の東京方面と、夕方から夜間にかけての八王子・青梅行きの設定です。これらが廃止されると、その分だけ輸送力が削減されることになりますが、グリーン車で「はちおうじ」「おうめ」の輸送力を補うことはできるのでしょうか。こちらも計算してみます。

【貴重写真】グリーン車じゃなくて「二等車」を連結していたころの中央線時刻表(写真)

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