「中央線グリーン車」はどれだけ“稼げる”のか 特急すらお役御免も問題なし? 驚きの投資効果を試算

JR中央線快速と青梅線では、ダイヤ改正をもってグリーン車のサービスが始まる一方、特急「はちおうじ」「おうめ」が廃止されます。グリーン車導入にかかる巨額の投資で、輸送力と収益はどのくらい確保できるでしょうか。

グリーン車導入の投資額は約860億円

 JR東日本が2025年3月15日(土)のダイヤ改正から、中央線快速と青梅線でグリーン車のサービスを開始します。その一方、都内区間のみで運転される特急「はちおうじ」「おうめ」が廃止されます。

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JR中央線快速で使用されるE233系電車。グリーン車の連結が始まった(2024年12月、柴田東吾撮影)。

 グリーン車の導入にあたっては、2階建て車両が57編成分(114両)製造されました。決して小さくない投資です。グリーン車を連結した列車は10両編成から12両編成になりますが、すでに2024年10月から12両編成での運転が始まっており、順次その数を増やしている段階です。なおダイヤ改正までは「グリーン車お試し期間」として、グリーン料金なしで利用できます。

 グリーン車のサービスは東京~大月・青梅間で行われ、中央線快速が停車する駅ではホームを12両対応へ改修をしています。さらに、車両基地も12両編成の車両が収容できるように延伸されたほか、車内にはトイレが2か所設置されたため、汚物を処理する施設などを新たに設けています。

 この結果、車両の製造費用や改修費用に加え、列車を運行する設備にも多額の費用がかかっています。果たして投資は回収できるのでしょうか。

 JR東日本の2023年度の決算資料によると、中央線快速へのグリーン車導入にかかる投資額は約860億円とされています。一方で年間約80億円の増収効果を見込んでいます。グリーン車の導入でどのくらいの収益が期待できるのか、グリーン料金から計算してみました。

【貴重写真】グリーン車じゃなくて「二等車」を連結していたころの中央線時刻表(写真)

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