「あわや沈没!!」から生還できるのが“いい軍艦” 「ダメコン」のスゴさとは ハイテク艦もやっぱり「人」
軍艦が損傷を受けた場合、沈没を防ぐための「ダメージコントロール」が重要です。乗員らは、一体どのようなことをしているのでしょうか。2019年に行われた英軍艦「モントローズ」の一般公開から振り返ります。
「いいダメコン」が艦の命を左右する
軍艦はミサイルなどにより被害を受ける可能性がある――当たり前の話ですが、ここで重要になるのが、いわゆる「ダメージコントロール(ダメコン)」です。艦の沈没や命の危機につながる火災や浸水など、あらゆる要因に対処する能力です。
このダメージコントロールの実態について、2019(平成31)年に東京の晴海ふ頭で一般公開されたイギリス海軍のフリゲート「モントローズ」で実施されたデモンストレーションを例に、概観していきましょう。
まず、一口にダメージコントロールといっても、被害箇所や状況に応じてさまざまな種類の方策がとられます。たとえば船体に穴が開き浸水が発生した場合、まずは浸水箇所に布や木の板、ロープや箱などをあてたり、木材の端材などを打ち込んだりして、その穴を塞いでいきます。さらに角材などで水圧に耐えられるよう支柱を設け、浸水を防ぎます。
すでに艦内に入った海水は、ポンプで外へくみ出していきますが、片側の浸水が激しい場合には、その反対側にあえて注水して船体を安定させ、転覆を防ぐ場合もあります。
実際に「モントローズ」で展示されていた対処方法はこうです。まず浸水が発生すると警報が鳴り、対処要員は金づちと木材が入った小さな袋を持って現場に駆け付けます。浸水箇所を確認したら木材を金づちで打ち込み、水の勢いを抑えていきます。そしてその上から半球状の蓋をあて、さらにそれが水圧に耐えるよう、支柱で固定していました。
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