おい信じられるか?「JOG」と「Dio」が今や“親戚”なんだぜ… ホンダとヤマハ「スクーター大戦争」の“ちゃんちゃん”な結末
2025年はガソリンモデルの50cc原付1種が生産を終了する見込みです。そうした原付のなかで最も身近なスクーター。その2大巨頭といえるヤマハ「ジョグ」とホンダ「ディオ」は、熾烈なライバル関係から“親戚”のような関係に変化しました。
打倒ジョグの真打ちとして登場した「ディオ」
DJ-1にパワーの王座を譲っていたヤマハも、1987年の2代目ジョグで6.0psの出力を実現。今思えば、HY戦争の名残りをなおも原付スクーターで静かに繰り広げる格好になっていました。

しかし、ホンダも負けてはいられません。1988年に新モデルとして登場させたのが後に今日まで続くロングセラースクーターとなる「ディオ」でした。
1986年に義務付けられた「原付のヘルメット着用」の影響を反映したメットインモデルで、先代のDJ-1に、メットインスペースを設けたタイプといった印象もありました。しかし、スクーターにして圧倒的な走りを意識したディオは、いち早くディスクブレーキを採用した一方、モデルチェンジごと続々と性能を飛躍させていき、後に一般化されるスポーツスクーターの先駆けにもなりました。
一方のジョグもまたディオに負けず劣らずの進化を遂げ、特に1990年代以降はスポーツスクーターとしての立ち位置へと完全に舵を切り、1990年のジョグスポーツに90ccモデルをラインナップ。50ccはジョグZ(1991年)、スーパージョグZ(1993年)、さらに最高出力7.2psを実現させたスーパージョグZR(1994年)と矢継ぎ早にリリースします。
ヒットしていたディオが女性向けモデルも派生させるようになった一方で、ジョグは「ウチはあくまでも走りっすよ」といった立ち位置を貫くようになっていました。
ただし、ジョグ、ディオのここまでの熾烈なシェア争いも、1998年排出ガス規制を境に落ち着きを見せ始めます。
双方ともに規制に適合させるためにパワーを抑える結果となった一方、2000年代初頭に巻き起こったビッグスクーターブームなどの影響もあり、ジョグ、ディオがライバル的にシェアを争うというよりは、双方が独自の立ち位置を築き上げていくような構図に見せました。
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