おい信じられるか?「JOG」と「Dio」が今や“親戚”なんだぜ… ホンダとヤマハ「スクーター大戦争」の“ちゃんちゃん”な結末
2025年はガソリンモデルの50cc原付1種が生産を終了する見込みです。そうした原付のなかで最も身近なスクーター。その2大巨頭といえるヤマハ「ジョグ」とホンダ「ディオ」は、熾烈なライバル関係から“親戚”のような関係に変化しました。
かつての大敵をホンダが「製造」する立場になったのはなぜ!?
そして2010年代に入ると、双方とも日本独自の「原付スクーター」としての役目をいったんは終えることになります。2011年、ホンダはグローバルモデルとしてディオ110をリリースした一方、50ccモデルは2016年に生産を終了します。
また、完全なるヤマハオリジナルのジョグは2017年のジョグシリーズが最後となり、2018年以降は、かつてのライバル・ホンダとの業務提携により、ホンダが製造することになりました。
そのなかでヤマハは、“HY戦争”の砲撃的モデルだったホンダ・タクトの外観を「ジョグ的」に変更させ、50ccジョグの最新モデルとしてリリース、今日まで販売されることとなります。この最新の50ccジョグはホンダの熊本製作所が造っています。
まさしく「かつての敵は今日の友」なエピソードであり、ホンダ、ヤマハどちらも好きな筆者にとっては、なんだかほっこりする話でもありました。
また、完全なるヤマハオリジナルのジョグとして、2022年に125ccモデルをリリース。ディオ110と良い意味での差別化を図り、双方ともに今日も生産され続けています。
いずれにしても、ジョグ、ディオともに30~40年以上も続いた名シリーズであり、競い合った双方のストーリーは、そのまま日本のスクーターのレベルを引き上げた歴史だったと言って良いように思います。
今では、近い親戚のような関係になったジョグとディオ。双方のモデルに親しんだことがある方は改めて注目されてみてはいかがでしょうか。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
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