「世界一死亡事故が少ない都市トーキョー」目標達成が危うい “死者ばかり”増える全国ワースト深刻な理由

2024年の死亡事故は全国では減少する中、東京都内では上昇に転じています。都は「世界主要大都市の中で最も少ないレベルの交通事故死者数」を目標に掲げていましたが、日本一死亡事故が多い都市になりました。目標達成が危ぶまれています。

都の「高い目標」達成困難か

 都内における2024年中の死亡事故状況は、東京都が目指す「世界主要大都市の中で最も少ないレベルの交通事故死者数とする」状況を作り出すことも極めて困難にしています。

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警視庁(中島みなみ撮影)。

 東京都は2021年に、警視庁も参画して「第11次東京都交通安全計画の目標」を作成しました。数値目標は2025年までに24時間死者数を110人以下、死傷者数を2万7000人以下とすることを掲げました。

「2025年中(の統計)を目標に各種施策で達成していきたい」(東京都交通安全対策課)

 東京都の交通事故状況は、コロナ禍の一時的な死亡事故減少は見られたものの、死亡事故は着実に増加傾向を示していると言えます。暦年の交通事故死者数とカッコ内は前年比を示します。

・2024年:146人(+10人)

・2023年:136人(+4人)

・2022年:132人(△1人)

・2021年:133人(△22人)

・2020年:155人(+22人)

・2019年:133人(△10人)

・2018年:143人(△21人)

・2017年:164人(+5人)

・2016年:159人(△2人)

・2015年:161人(△11人)

 年ごとの増減を追うと、コロナ禍で減少したというより、2020年の増加分をコロナ禍で戻しただけと言えます。

 東京都内では2020年4月7日~5月25日にコロナ禍で初めての緊急事態宣言が発令されていますが、この年の交通事故死者数はむしろ増加しています。本格的な行動制限がかかった2022年と、その影響下にあった2023年に減少していますが、それでも交通事故死者数は130人を下回ることはできなかった、というのが実態です。

 交通事故の研究者には、東京都の目標達成の困難さを指摘する声もありました。今となっては単年度で30人以上の死亡事故を抑止する必要があります。死亡事故を減らすことは簡単ではありません。前述の交通安全対策課担当者は、次のように語りました。

「事故死者数の増加について、すぐにお答えできない。(110人以下という数字は)ある程度高い目標だと思っているが、各種施策を講じて達成していきたい」

 2024年の交通事故死者の実態は、都内死者数の近年の底が130人台にあることを示しています。目標達成までの時間はわずかです。

【なぜ…!?】これが「20代の死者が急増している」実態です(画像)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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