「日本一短い鉄道」の延伸構想とは? “バス走ってます”→乗ってみた 鉄道だと便利になる?
東成田~芝山千代田間を結ぶ芝山鉄道は、全長2.2kmで「日本一短い鉄道」として知られます。実は九十九里浜方面への延伸が検討されており、そのルート上を沿線自治体がバスを運行しています。芝山千代田駅の“その先”へ行ってみました。
鉄道延伸に可能性はありそうか
東成田13時0分発の芝山千代田行きには14人が乗車していました。車両は芝山鉄道3500形電車でした。これは京成3500形電車3537編成4両を芝山鉄道がリースした車両で、「芝山鉄道」と書かれたプレートも。芝山鉄道はこの4両しか保有していないのでレア車両です。同社ウェブサイトでは運用が告知されています。
乗車時間4分のうち2分半はトンネルでした。トンネルを出ると成田空港が見えます。芝山千代田駅は1面1線ですが、エレベーターも備わります。改札口で要望すると数量限定の「乗車記念証」をもらえました。これは楽しい試みです
15時7分、ようやく芝山千代田駅から空港シャトルバスで横芝屋形海岸を目指します。乗客は4人だけ。途中乗車は筆者を含めて2人で、松尾IT保健福祉センター前バス停までに筆者以外の全員が下車しました。
蓮沼海浜公園は17種類のプールや、日本一の走行距離である2.1kmも走るミニトレインなど見どころ豊富なのですが、終点まで利用した乗客はいませんでした。
ここに鉄道を敷設しても、沿線利用は見込めないように感じました。京成本線ではなく、成田スカイアクセス線への連絡線を設置し、高速運転して芝山鉄道に直通する特急でも運行しなければ、観光客誘致も難しいのではないでしょうか。沿線利用だけなら、空港シャトルバスが空港第2ビルに乗り入れる現状の方が、便利だと思えます。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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