京葉線の激レア系統「東金線直通」に乗ってみた ロングランだけど「各停」の理由 ヘトヘトになって体感

千葉県のJR東金線には、1日1往復だけ東京駅発着の列車が存在。種別は各駅停車で、全区間乗り通すと1時間半ほどかかります。夕ラッシュ時に東京駅から乗車し、需要を見てみました。

京葉線を経由し1日1本だけの東金線直通

 JR外房線の大網駅(千葉県大網白里市)と、総武本線の成東駅(同・山武市)13.8kmを結ぶ東金線。配線上は外房線との直通が可能であり、千葉駅との直通列車が1日13往復設定されています。そして1日1往復だけ、京葉線を経由する東京駅への直通列車も設定されているのです。

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JR東京駅の京葉線ホームに停車する、東金線直通の各駅停車(2024年12月、安藤昌季撮影)。

 東京発は18時32分。終点の成東着は20時05分ですから、1時間33分を要します。なお、同じ時間帯に総武本線を経由する、東京18時49分発の特急「しおさい7号」の成東着は19時54分で、所要は1時間5分。総武線快速は東京18時42分発で成東着20時15分(所要1時間33分)ですから、京葉線・東金線経由の成東行きは特急よりは遅いものの、総武本線の快速と差はありません。

 このレアな直通列車にはどのような利用があるのか。また、なぜ東京~成東間75.9kmを1時間半かけて各駅に停車するのか、実際に乗車して考察してみます。

 2024年12月の木曜日。筆者(安藤昌季:乗りものライター)は東京駅の京葉線4番ホームに来ました。他線のホームからは離れており、10分程度の移動時間がかかります。

 東金線直通の成東行き(列車番号4883Y)は先述の通り、18時32分に東京駅を出発します。発車7分前にホームに来ましたが、始発駅にも関わらず、座席どころか吊革まで埋まる盛況でした。

 車両はE233系電車5000番台10両編成で、4扉ロングシート車。トイレはありません。1~6号車が外房線の上総一ノ宮行き、7~10号車が東金線の成東行きです。行先表示も「外房線直通」「東金線直通」が上下で並ぶ珍しいものでした。

 つまり、この4883Y列車は誉田(ほんだ)駅で分割するのです。早朝の東京行きなら併合。外房線内で分割併合する唯一の列車でもあります。

【首都圏ではレア光景!】電車を「分割する」様子(写真)

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