「昔は銃メーカーでした」 ルーツが意外すぎる世界のビックリ自動車企業 トホホな転身の理由も

世界には、19世期後半から20世紀初頭にかけて銃器で培った技術力を背景に、自動車やバイク製造に進出したメーカーが存在します。なぜこれらの企業は自動車やオートバイの製造に乗り出すようになったのでしょうか。代表的な企業を見てみます。

「ベネリ」「FN」と聞いて連想するものは?

 また、トヨタ「GRスープラ」やBMW「Z4」の生産を請け負うオーストリアのマグナ・シュタイア社も、銃器メーカーの流れをくんでいると言えるでしょう。

Large 20250122 01

拡大画像

世界のベストセラー機関銃であるMINIMI。開発元はベルギーのFN社だが、同車は自動車も製造していた(画像:陸上自衛隊)。

 同社の前身であるシュタイア・ダイムラー・プフ社は、もともと小銃メーカーで、2001年に銃器部門が分社化されましたが、1864年の創業から現在まで狩猟用ライフルのほか、ブルバップ式の軍用ライフル「ステアーAUG」を製造しています。

 ユニークな歴史を持つのはイタリアのベネリです。同社は夫を亡くしたテレサ夫人とその息子たち5人兄弟によって創業した二輪メーカーで、自動車やバイクの修理工場を経て1921年に市販1号車の発表するいっぽうで、猟銃の製造も手がけるようになりました。

 同社は、1970年代に日本車の台頭で経営危機に陥ったため、モト・グッツィと合併しています。その後、二輪ブランドは休眠状態になりますが、一方で銃器部門は分社化されベネリ・アルミ社となった後も好調を続け、ベネリM1やM4などの高性能なセミオートマチック式散弾銃を開発しています。

 この銃は世界の軍隊や警察で使用されるベストセラーとなりました。

 過去に自動車を生産していた銃器メーカーで、もっとも有名なのがベルギーのFN社でしょう。この会社は「Nationale d’Armes de Guerre」、日本語に訳すと国営兵器製造会社という言葉が社名の元で、1899年から1930年代後にかけて主に高級車を製造していました。

 とは言うものの、FNにとって自動車製造は本意ではなく、M1889小銃とその改良型であるM1893小銃の製造権を巡り、ドイツのマウザー社との法廷闘争で敗れたことにより資金繰りが悪化。これを補うために自動車ビジネスに参入したというのが大きな理由でした。

 FNが製造した高級車はベルギーやペルシャ(現イラン)の王室にも納入され、好調を博していたようですが、世界恐慌の直前にラインナップを大幅に強化したのが裏目に出て1930年代に経営が悪化、乗用車製造から撤退せざるを得なくなります。ただ、その後もベルギー国内の需要を賄うために、1960年代までトロリーバスを生産しています。

【画像】銃器マニア垂涎? これがCZやベネリのオートバイです

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. トヨタはあくまでトヨタブランドとして90スープラをだしているわけで、わざわざマグナの名前を出して「トヨタの工場で造っていない」ことを読者に認識させる記事はどうかと思います。トヨタに失礼かと。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス