導入の熱意が警察・国を動かした! 東久留米の激レア「赤バイ」阪神・淡路大震災で活躍し全国へ
東京消防庁の東久留米消防署が平成初頭に導入した赤バイ。この車両は日本の消防史に重要な足跡を記した存在でした。画期的だったオリジナル赤バイの経緯と、阪神淡路大震災での活躍をひも解きます。
誕生のキッカケは旅行で訪れたロンドンの光景
東久留米市消防本部(当時)が平成に入ってから導入した二輪車は、消防用ではなく救命用でした。導入のきっかけは、当時の東久留米市消防本部の千葉政美(ちばまさみ)消防長が、プライベートでヨーロッパ旅行に出かけた際に、ロンドンで救急オートバイを見たのが発端だったそうです。
当時の東久留米市は急速な都市化により道路整備が遅れたことで、一方通行や狭い道が多く、数少ない大通りは渋滞が深刻でした。そこで、ヨーロッパで見たような緊急用二輪車を運用することができれば、救命効果を高めることができると千葉消防長は考えます。
こうして救急用の自動二輪車を導入しようという機運が高まります。ただ先行事例のない取り組みだったため、いろいろ苦労があった模様です。当初は、救急車と同じ枠組みとなる救急バイクとして導入しようと動いたものの、警察から「救急車は患者搬送ができるからこそ緊急車両として認められる。バイクでは患者搬送ができないから認めることは難しい」と物言いがついたとか。
そこで、警視庁と話し合った結果、「消防活動用二輪車」、すなわち「赤バイ」なら前例があるから認可できるといわれます。これを受け、火災などの災害が発生した場合に即応可能な緊急車両として導入することとなり、当初は「消防・救急オートバイ」として調達されました。
このバイクは消防用として消火器なども携行していたとのこと。ただ、実際に乗るのは救急救命士だったそうです。
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