製造期間わずか3年! 超希少な「トヨタ・ジープ」幕張メッセで発見!! 短期間で消滅した意外なワケ
「東京オートサロン2025」のトヨタブースにトヨタBJ型が展示されました。このクルマはトヨタの傑作車「ランドクルーザー」の記念すべき初代モデルです。ただ、一時期「ジープ」と呼ばれたとか。なぜ改名されたのでしょうか。
三菱ジープに惨敗 でも結果オーライ?
こうして1951年に警察予備隊が発足します。立ち上げに際して武器や車両などはアメリカ軍が用意しましたが、いずれも中古品でコンディションは良好とは言えない状況でした。しかも、激化する朝鮮戦争の影響で、追加供与を受けられるか否かも定かでなかったことから、輸送や連絡などの業務に使用する小型トラックは警察予備隊の創設時から国産化が検討されていました。そうした流れを受け、日本政府は国内の自動車メーカーに警察予備隊向けの車両開発を要請し、競争入札で決定することを告げます。
これに応募したのがトヨタ、日産、三菱の3社でした。トヨタは前出の「BJ型」を、日産は4W60型(のちのパトロール)を、そして三菱はウィリスからライセンス権を得て組み立てた「ジープ」でトライアルに参加します。
その結果、アメリカ軍供与のウィリスMB/フォードGPWと高い互換性があり、教育や保守管理にもメリットの大きかった三菱「ジープ」が採用を勝ち取ります。一方、トヨタと日産は敗れたものの、警察予備隊以外の官公庁需要に回されることになりましたが、逆にアメリカ軍や警察予備隊(自衛隊)の規格を気にする必要がなくなったことなどから、輸出を含めた民間市場へ活路を見出すことができるようになりました。
このような経緯により、トヨタ「BJ」は1953年から量産がスタートしました。同車の製造は、シャシー組み立てこそトヨタ本社工場でしたが、車体生産と最終組み立ては荒川板金工業(現:アラコ)が担うという分業体制で行われました。
設計は、前出のウィリスMB/フォードGPWを参考にしており、それに加えて戦時中に鹵獲(ろかく)したバンタムMk.II(MB/GPWの原型)の事実上のコピー品といえる「四式小型貨物車」を開発した際の経験が生かされています。ただし、構成部品はトヨタ系のものにすべて置き換えられており、シャシーはトヨペットSB型トラックの梯子形フレームを補強・改良したものを採用しており、サスペンションもSB型のリーフリジッド式が流用されています。
エンジンはシボレー「ストーブボルト」ガソリンエンジンをコピーした初代B型3.4リッター直列6気筒OHVを搭載しています。これによりMB/GPWに比べてホイールベースは370mm長い2400mmとなり、全長も443mm延長されて3793mmとなりました。また、トランスミッションとファイナルギアはトラック用の減速比が低いものが組み合わされたことで、初期型は副変速機を備えていませんでした。
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