トランプ大統領お願いします「F-35」売ってください! 台湾切望の最新ステルス戦闘機 ゲットのチャンス到来か?

アメリカが開発した最新戦闘機F-35。各国で導入が進むステルス戦闘機ですが、台湾はこれまで購入することができませんでした。しかし、トランプ政権が発足したことで潮目が変わりそうだとか。「夢」はかなうのでしょうか。

台湾の本気度をアメリカが汲めば

 とはいえ、従来のアメリカ政府は台湾へのF-35輸出について慎重な立場を維持してきました。しかし、2025年1月にドナルド・トランプがアメリカ大統領に再就任したことで、台湾の軍備調達に新たな可能性が生まれるのではないかとの期待が高まっているようです。トランプ政権は中国に対して強硬な姿勢を取り、台湾への防衛支援を強化する可能性があるからです。

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台湾空軍のミラージュ2000-5EI戦闘機。F-16の導入が叶わなかったためフランスから購入した(関 賢太郎撮影)。

 さらに、トランプ政権は同盟国や友好国に防衛費の増額を求めており、台湾がこの要求に応え、自国防衛の強化に本気で取り組む姿勢を示せば、アメリカから最新鋭兵器の調達が容易になる可能性もあります。

 台湾はすでに防衛予算を増額し、F-16Vの取得や防衛能力の強化に取り組んでおり、F-35購入の打診をアメリカに行っているとの情報もあります。しかし、アメリカの政策がどこまで台湾に対して開かれるかは不透明なため、F-35の輸出が認められる保証はありません。そして仮にアメリカが台湾へのF-35供与を決定すれば、中国の強い反発は避けられず、米中関係のさらなる悪化が予想されます。

 現実的な選択肢として、台湾はF-16Vへのアップグレードを進めつつ、防空システムの強化を図ることが当面の最善策と考えられます。しかし、中国の台湾侵攻が現実的な脅威となりつつある現在、台湾としてはF-35をなんとしても確保したいところです。もしF-35の導入が実現すれば、中国との軍事バランスの質的向上に大きく寄与することは間違いないでしょう。

 台湾念願のF-35導入が実現するか否かは、今後のアメリカの対中政策とトランプ大統領の判断に委ねられています。

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Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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