ついに初納入!海自「空前の巨大戦闘艦」のための“新型レーダー”どれだけスゴイ? アメリカの製造現場に初潜入してきた!
アメリカの大手防衛関連企業であるロッキード・マーチン社は2025年1月16日、海上自衛隊用の最新鋭艦載レーダー「SPY-7(V)1」のアンテナ第1面が、防衛省に納入されたと発表しました。じつは、筆者は昨年このレーダーの製造施設を視察していました。
日本向け最新レーダーが着々と製造
アメリカ東部 のニュージャージー州にあるモーレスタウン、ここに同社の一部門である「ロータリー・アンド・ミッション・システムズ(RMS)」の巨大な開発・製造施設があります。RMSでは、戦闘機を含めた航空機、各種ミサイルや射撃管制システム、宇宙開発、そしてレーダーなどさまざまな製品の開発および製造を担当しています。
モーレスタウンの施設では、イージス・システムをはじめとする射撃管制・戦闘指揮システム、レーダー、ミサイル発射装置などを開発、製造しています。そんな最新鋭の技術がテンコ盛りの施設ですが、周囲には見渡す限りの森と平原が広がっており、まさに大自然の中にあるポツンと一軒家な研究所といったところ。
ちなみに、ロッキード・マーチン社ではモーレスタウンの施設を含め、ニュージャージー州に5つの主要な施設を有しています。これらの施設の面積をすべて足すと、合計1.5平方キロメートルとなり、東京ドーム約31個分の広さに相当。そこで合計5000人の従業員がそれぞれの業務に従事しているのです。
モーレスタウンの施設では、冒頭で紹介したSPY-7の開発、製造、試験、納品までを一貫して実施しています。まず、施設の中核たる製造ラインで、SPY-7構成部品が続々と生産されます。
続いて、これらを組み合わせてレーダーとして機能する状態になったものが、製造ラインに隣接する「生産試験センター(PTC-2)」に搬入されます。ここで、SPY-7はイージス・システムと実際に連接され、付近を飛行する航空機や宇宙空間を周回する衛星などを探知しつつ、問題点の有無などが最終的に確認されます。
こうして、イージス・システムと連接されることにより、実際に艦艇へと搭載された状態を再現することができます。そうすれば、艦艇への搭載前に、戦闘システムとの連接性などを確認することができ、スムーズな統合を実現することができるわけです。
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