「ホームライナー」が絶滅危惧種!? 「青春18きっぷ」OKな特急車両で岐阜までハシゴしてみた
特急形車両を、通勤時間帯に有料列車として乗車可能とするJRの「ホームライナー」。すでに40年の歴史を持つ列車ですが、登場時に近いサービスを継続しているのはJR東海だけです。その現状を見てきました。
「ホームライナー」を乗り継ぐ
「ホームライナー浜松3号」は、沼津駅の出発時点で6両編成の窓側が全て埋まっているなど、なかなかの盛況。ただ、通路側座席に荷物を置く“隣席ブロック”が多く見られました。車内放送で「通路側荷物を荷物棚に上げてください」と注意が入りますが、効果はないようでした。これは新幹線自由席でも見られる光景で、こうした身勝手な座席の使い方が全車指定席化へとつながるのだろうと思います。
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列車は三島駅、富士駅、清水駅と停車しますが、乗降はわずか。19時9分着の静岡駅で7人ほどの乗降がありました。その後も藤枝駅で3人下車したくらいで、大半が沼津~浜松間を乗り通していたのは意外でした。終点には20時10分に到着しました。
浜松駅で同一ホームに停まる豊橋行き普通列車に乗り換え、さらに豊橋駅で20時50分発の大垣行き特別快速へ乗り換えると、名古屋駅には21時43分に到着しました。さて、ここからも「ホームライナー」に乗れます。22時18分発の「ホームライナー大垣3号」です。
こちらは特急形電車の681系。JR西日本の車両が間合い運用されており、西日本色のJRマークが目立ちます。グリーン車が連結されていますが、1010円の追加料金がかかるためか、乗客は見られませんでした。筆者は「青春18きっぷ」利用であり、「ホームライナー」グリーン車には乗れない規定でもあるので普通車へ。追加330円で乗車できる普通車もがら空きでしたが、自販機では座席が選べないので、隣席に乗客がいる不思議な状況となりました。
途中で尾張一宮駅、岐阜駅、穂積駅と停車したものの乗降はほぼなく、終点の大垣駅には22時51分に到着。前を走る新快速とは、名古屋駅発車時も大垣駅到着時も3分差だったので、速度は同じようです。快適でしたが、短距離だからか空席が気になる「ホームライナー」でした。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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