「ホームライナー」が絶滅危惧種!? 「青春18きっぷ」OKな特急車両で岐阜までハシゴしてみた

特急形車両を、通勤時間帯に有料列車として乗車可能とするJRの「ホームライナー」。すでに40年の歴史を持つ列車ですが、登場時に近いサービスを継続しているのはJR東海だけです。その現状を見てきました。

元祖「ホームライナー」スタイルはJR東海のみに

 好評のなか各地に広がった「ホームライナー」でしたが、国鉄が分割民営化されると、JR西日本や九州では2011(平成23)年までに姿を消し、JR四国も徳島~鳴門間で一般車両を使った有料臨時快速「きんときライナー」を一時、運行したものの、定着しませんでした。

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「ホームライナー浜松3号」は373系特急形電車(安藤昌季撮影)

 これは格安料金の普通列車で「ホームライナー」を運行するよりも、特急列車として近距離で安価な料金を設定する方が、増収になると判断されたのではないかと筆者(安藤昌季:乗りものライター)は考えます。JR東日本でも「ホームライナー」は2021年までに全廃され、代わりに設定された特急列車も、「おうめ」「はちおうじ」については中央線の普通列車へのグリーン車連結もあって廃止されることになっています。

 現在、JRで「ホームライナー」を運行しているのは東海と北海道ですが、北海道については2023年より、定員制かつ普通車・グリーン車同一料金から、グリーン料金を設定のうえ、「みどりの窓口」やインターネット予約サービス「えきねっと」で購入する座席指定列車に代わっているので、ほぼ「特急」のような販売形態となっています。

 つまり、安価な整理券を駅ホームで販売するスタイルの「ホームライナー」は、JR東海だけになります。ある意味“絶滅危惧種”となった「ホームライナー」に乗るため、筆者は平日に沼津駅へ向かいました。

 ホームには373系特急形電車が停車しており、ホーム上にはライナー券自販機があります。熱海駅発の列車からの乗り換え時間は3分と短いですが、ライナー券自販機に行列はありません。

 沼津駅18時31分発の「ホームライナー浜松3号」は、浜松駅まで1時間39分。停車時間を含む平均速度である表定速度は79.3km/hと、長距離を高速で走ります。富士~静岡間は特急「ふじかわ」と変わらない速度であり、回転式リクライニングシートが並ぶ車内も特急列車の雰囲気ですが、座席整理券は330円と格安です。

【写真】え、青春18きっぷOKだと!? 「ホームライナー」の座席

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