「日本最東端の駅」廃止しちゃっていいの? 秘境じゃないのに“超閑散駅” 行って分かった「納得の理由」
2025年3月のダイヤ改正で廃止される東根室駅。利用者数が少ないという理由で廃止されますが、はたしてどんな場所なのでしょうか。実際に行ってみると、思いがけない光景が見られました。
期間限定運行中の便利な乗りものもチェック
東根室周辺の代替交通機関はバスだけではありません。根室市では2024年7月1日から2025年3月31日まで「AIオンデマンド交通実証試験運行」が実施されています。
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これは利用希望者の依頼に応じて配車される「デマンド型乗合タクシー(AIオンデマンド交通)」で、市内の根室ハイヤー、中央ハイヤーが運行。最大の特徴はスマートフォンアプリ上に仮想で設けられている停留所から目的地最寄りの仮想停留所までのルートを、AIにより自動的に生成する点です。アプリは高速バス大手「WILLER EXPRESS」を傘下に持つWILLERと携帯電話のauブランドを手掛けるKDDIの合弁会社・Community Mobilityが開発する「mobi」を使用しています。
「mobi」の運行範囲は根室駅を中心に、概ね半径3km圏内をカバー。停留所は215か所もあり、公共施設はもちろん、スーパーマーケットやドラッグストアといった商業施設のそばなどにもこまめに停留所が設定されています。また、根室だけでなく、東根室の駅前にも停留所が設定されています。運賃はどれだけ乗っても300円と手頃な料金で乗車できるのもうれしいポイントです。
じつは根室市内における「mobi」の実証運行は2023年度に引き続き2年目。同年10月2日から11月30日まで行われた最初の実証運行では、589人が利用し、1日平均の利用者数は10月が9.8人、11月が14.3人だったと報告されています(令和5年度根室市AIオンデマンド交通実証試験運行実績報告書)。
今回、「mobi」にも試乗してみました。JR根室駅停留所からJR東根室駅停留所まで乗車すると設定して15時46分にアプリで予約すると、16時にワンボックスカーが配車されてきました。アプリ上では走行ルートと16時9分にJR東根室駅停留所に到着するとの表示が。発車してしばらくすると、追加予約の乗客をピックアップするため、JR東根室駅へ遠回りするルートに変更され、到着時間も16時13分に更新されました。受け付けた予約をAIがリアルタイムで処理し、効率的な運行を実現しているのだと実感できた瞬間です。
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