「日本最東端の駅」廃止しちゃっていいの? 秘境じゃないのに“超閑散駅” 行って分かった「納得の理由」
2025年3月のダイヤ改正で廃止される東根室駅。利用者数が少ないという理由で廃止されますが、はたしてどんな場所なのでしょうか。実際に行ってみると、思いがけない光景が見られました。
“お別れ訪問”のファンは多いけど……
やがて「mobi」はJR東根室駅停留所に到着。時刻も予定ピッタリでした。実証運行中の「mobi」が2025年度以降に運行されるか未定ですが、自分の都合に合わせて呼び出して乗車でき到着時間も見通しが立つ点は、一度使うのに慣れると手放すには惜しい快適さです。実証運行終了後の検証を経て、導入が検討されることでしょう。
このように、東根室駅が廃止されたとしても、代替交通機関は整えられており、その影響は限定的といえるでしょう。なお、北海道釧路総合振興局管内及び北海道根室振興局管内における自動車保有台数は1世帯あたり1.95台。各世帯に1台以上はマイカーがあることも付け加えておきます(北海道釧路・根室地域公共交通計画〈令和6年(2024年)7月改正〉)。
東根室駅は2019~23年における平均の1日利用者数が7.8人にとどまります。筆者は1日に5、6本が発着するなら決して少ない本数とはいえないと考えますが、乗車できる列車が限られ、普段使いが難しいとなれば存廃が取り沙汰されるのも無理はありません。
実際、取材時には“お別れ訪問”のファンを何人も見かけましたが、一般の利用客は見当たりませんでした。情緒だけで駅を残すのは残念ながら難しいのです。根室を名実ともに「日本の最東端の駅」として観光拠点に整備するほうが合理的といえるでしょう。
Writer: 水野二千翔(高円寺工房/モビリティライター)
レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。
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