お金払って撮りに来たのにガッカリ… 撮り鉄を悩ます「光」のトラブル 綺麗に撮るコツってあるの?
車両基地内で有料の撮影会が行われる機会が増えています。ところが、ある撮影会では「逆光」により、車両を綺麗に撮影できない事態が発生しました。何があったのでしょうか。
厄介な「影」の存在
また、車両に当たるのが太陽光であるため、車両に影がかかってしまうのも困ったところです。最も影になりやすいものが架線柱で、電車に供給する電線の柱が車両の前面にかかってしまうことがよくあります。人物であれば、タレントやモデルの顔に斑模様の影ができるようなもので、せっかくの綺麗な顔が台無しになってしまうのです。

さらに、夏場と冬場で太陽の高さが違うため、夏場は綺麗に撮影できるのに、冬になると近所の建物の影が車両に写り込んでしまい、車両が綺麗に撮影できないということもあります。この場合は時間帯を変えるか、影がかからない場所に車両を移動させる必要があります。
主催者も参加者の意見を次に生かしている
実のところ、コツさえ掴んでしまえば、良い状態での撮影は比較的楽にできます。新型車両のお披露目などで頻繁に撮影会を実施していると、基地内のこの場所に車両を置き、車両の周辺はこれだけ場所を開けて撮影場所を確保したうえ、何時から何時まで撮影する時間帯を設ける、といった具合に、パターン化が可能です。
しかし実際には、予期せぬハプニングを含め、会場での来場者の誘導は思ったようにいかないのが実情です。ひょっとしたら、撮影中の事故防止や、撮影会を滞りなく進めることに担当者が手一杯となってしまい、車両を綺麗に撮影してもらうことまで手が回らないのかもしれません。
ただ、撮影会では参加者へアンケートを実施する場合が多くあります。首都圏の大手私鉄では、その貴重な意見を集約し、次回以降の改善につなげていると話していました。
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。
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