新型車両デビュー! え、過去にも同じ形式あった!? 京成3200形とは 初代との意外な共通点も

京成電鉄に、「3200形」を名乗る新型電車が登場しました。同社の車両で3200形を名乗るのはこれが2つ目です。初代3200形は2007年に引退していますが、どのような車両だったのでしょうか。新型3200形との共通点はあるのでしょうか。

「赤電」とは 塗装にまつわる話

 初代3200形は時代によって都度、車体色の塗り替えが行われました。登場時は上半分をモーンアイボリー、下半分をファイアーオレンジとして、帯はステンレスの枠内にミスティラベンダのラインを収めた塗り分けでした。1980(昭和55)年から翌年にかけて、ファイアーオレンジを基本とし、帯はステンレスの枠内にモーンアイボリーのラインを収めた塗装に変更されています。

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京急空港線を行く北総開発鉄道7250形電車。京成電鉄から3200形電車が貸し出されたため、塗装が北総ブルーとなっている(画像:PIXTA)

 この「ファイアーオレンジ」に塗られていた時代が長かったことから、初代3200形に似たデザインの車両をひとまとめにして「赤電」と呼びます。3200形は1967年までに88両が製造され、「赤電」と呼ばれた車両のグループでは最も数が多い主力車両でした。

 1993(平成5)年から1995(平成7)年にかけて再び塗装が変更され、今度はアクティブシルバーという灰色を基調に、ヒューマンレッドとヒューチャーブルーのラインの組み合わせとなりました。このラインの組み合わせは、2代目の3200形にも継承されています。

 この塗装変更にあたっては、実は1991(平成3)年から塗装試験が行われていました。試験は3200形で行われ、ウグイス、白、スカイブルー、ライトグレーを地色にした4種類の塗装がありました。

 また、北総鉄道(当時の北総開発鉄道)7250形電車として同社へ貸し出された車両があり、その間はヒューマンレッドの代わりに北総ブルーに塗られていました。

引退前に「開運号」を復刻

 現行の3000形電車が導入されたことで、初代3200形は淘汰されてしまいます。引退を前にして登場時の車体塗装を復刻し、特急「開運号」のリバイバル運転も行われました。

 先述の通り、初代3200形は「赤電」の主力車両として活躍しましたが、2代目の3200形も、今後の京成の主力車両として活躍することを筆者(柴田東吾:鉄道趣味ライター)は期待します。

これが「初代」3200形です リバイバル運行時の写真

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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