所要時間は9時間! 北海道唯一の“夜行だけ”高速バスに乗ってみた 「満席も珍しくない」そのメリットとは?
北海道には、「往復とも夜行便のみ」という路線がただ一つ存在します。今回、北海道の広さを実感できるこの路線に乗車し、どのように利用されているのかをチェックしてみました。
目覚めると猛吹雪が「直撃」
翌朝は5時頃に目が覚めました。途中何度か目が覚めたものの、背もたれを完全に倒せたので、しっかり睡眠を取ることができました。
地図アプリを開くと札幌市内に入っていると確認でき、カーテンを少し開けて窓の外を見れば、高速道路上の様子。昨晩までの暗闇ではなくオレンジ色の照明が光ります。そして猛吹雪と積雪を目撃することになりました。
北海道のなかで比較的雪が少ない地域である道東では見ることのなかった桁違いの雪の量に、一晩かけて長い距離を移動してきたのだと実感。やがて車内にガサガサという音が目立ちはじめ、ほかの乗客も起き出しました。
札幌市内の最初の停留所である大谷地バスターミナルの到着時刻は定刻5時25分ですが、雪のため15分ほど遅延して到着。大通バスセンターで4人が下車し、終点札幌駅前には5分遅れの6時5分に着きました。
道路では低速の除雪車が作業していたり、雪で見通しが効きづらかったりと複雑な状況でしたが、ハンドルを握らない乗務員さんが周囲の状況確認を行ってドライバーに共有するなど、乗務員2人体制の強みを活かして安全に配慮していました。大雪の中を安全運転でこの遅れにとどめている乗務員さんの技術に頭が下がる思いです。札幌まで、快適な乗車を楽しむことができました。
2025年2月現在、札幌駅から根室駅に向かうにはオーロラ号のほかに、(1) JR特急「おおぞら」~釧路で根室本線(花咲線)に乗り換える鉄道ルート、(2)鉄道やバス~新千歳空港または丘珠空港~根室中標津空港~連絡バスという旅客機ルートが考えられます。
(1)は最短で6時間30分ほど、長いと8時間に迫る所要時間がかかり、きっぷ代は1万1970円(乗車券、指定席特急券)です。(2)は飛行時間こそ55分と短いですが、札幌、根室の各駅~空港間の移動に合計3時間ほどかかるため、トータルの所要時間は約4時間。運賃は航空券の予約時期で振れ幅がありますが、最安で約1万3000円、最高で約3万4000円といったところ。これと別に各空港までのバスや鉄道の運賃がかかります。
オーロラ号の運賃は比較的リーズナブルで、「乗り換えなし」で移動できることから、札幌~根室間では有力な選択肢の一つとなっているのです。
Writer: 水野二千翔(高円寺工房/モビリティライター)
レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。
札幌から根室へ単身赴任をしている知人は金曜日に札幌へ帰り、日曜日に根室へ戻り時間を有効活用していると話してました。札幌と根室を直行で結ぶ唯一の交通機関として、重要なインフラだと思います。この路線がこれからも続いていくように行政も気にかけて欲しいと思う。
昔、利用した事が有ります
道内の他の路線(夜行バス)は札幌↔釧路と札幌↔函館を利用しました
昔の話で記憶が定かではないですが札幌↔函館は2社の路線が運行していたと思います
釧路や根室への道中、車窓からの景色が牧場や原生花園等同じような景色が延々と続くので1度経験したら夜行バスで寝ている間に移動するのは経済的だと思います(宿代も浮くし)
ただし、タイパを大事にする人には向かないのと、快適な睡眠が得られるか?は微妙かと思います