ますますJRとバチバチに!? つくばエクスプレスの延伸構想 開業後の競合関係を考える
茨城県より示された「つくばエクスプレス(TX)延伸構想事業計画素案」。案には、両端の終点からそれぞれ延伸する構想がありますが、仮に土浦~羽田空港間を結ぶ路線となると、全線にわたってJR線と競合関係になりそうです。
つくばエクスプレスvsJR常磐線
2025年2月25日、茨城県より「つくばエクスプレス(TX)延伸構想事業計画素案」が公表されました。つくばエクスプレスは、秋葉原駅と研究学園都市であるつくば駅(茨城県つくば市)とを結ぶ路線ですが、延伸案では、つくば~土浦間のほか、東京~秋葉原間も合わせて検討されました。

路線の性格上、つくばエクスプレスはJR東日本の常磐線とも並行していますが、仮につくばエクスプレスの延伸が実現した場合、どのような競合関係が予想されるでしょうか。
そもそもつくばエクスプレスが建設されたのは、常磐線の混雑緩和を目指したことが理由のひとつでした。現状では秋葉原駅、南千住駅、北千住駅でJR線に接続している程度ですが、つくばエクスプレスが東京駅と土浦駅(茨城県土浦市)の双方に延伸された場合は、東京~土浦間の全線で常磐線と完全な競合関係になります。
2025年3月のダイヤ改正後の時刻では、東京~土浦間の所要時間は常磐線の特急「ときわ」で約48分、普通列車(快速)で約74分です。一方、つくばエクスプレス(秋葉原~つくば)では快速で約45分です。
前出の事業計画素案によると、秋葉原~東京間は約3分、つくば~土浦間は約9分で結ぶものとされ、東京~土浦間の所要時間は約57分と見込まれています。常磐線の普通列車(快速)と比べると、約17分の短縮効果が見込まれているのです。
つくばエクスプレスの延伸構想のうち、東京方面への延伸は、国の交通政策審議会答申第198号にも記載があります。この答申は2016(平成28)年4月に公表されたもので、「常磐新線の延伸」と表現されています。建設が進められていた頃のつくばエクスプレスが、「常磐新線」と呼ばれた名残です。
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