L特急に国鉄色まで再現! タイへ渡った中古車両 随所に感じた日本へのリスペクト「一見の価値ありです」

JR北海道で廃車となった元「はまなす」用の14系座席車とキハ183系0番台は、海を渡ってタイ国鉄へと譲渡され、観光列車として美しく整備されて活躍しています。車両の改造を担当した現地のエンジニアへ、インタビューしました。

「軌間が違う」から始まった大改造

 キハ183系0番代は、先頭車がスラントノーズと呼ばれる特徴的な車両です。北海道専用の車両で、JR北海道から譲渡後は14系座席車よりも先に改造されて運用につきました。

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中間車先頭化改造車キハ183 104は、日本時代に「海坊主」とのあだ名がついた。これから整備されるだろうが、屋根部のヘッドライトは移設されると思われるので、よりのっぺらとなりそうだ(マッカサン工場、許可を得て撮影)

 2025年2月、筆者(吉永陽一:写真作家)はキハ183系の改造を担当したタイ国鉄マッカサン工場ディーゼル部門のエンジニア、アディソン(Mr,Adison Singhakarn)さんにお話を伺いました。

 まずタイと日本は軌間(線路幅)が異なるため、どの車両も車輪の軌間変更をしたあとに各部の整備となります。レムチャバン港へ陸揚げされたキハ183系は、車体と台車を分離。後者の整備点検を先に台車専門工場にて実施し、タイ国鉄の1000mm軌間(メーターゲージ)へ変えました。車軸と車輪を外して点検整備を終え、再び車軸に車輪を圧入する際、1000mmにすべく日本の1067mm幅よりも内側へずらします。

「日本の車輪は試運転でしか使いません。そのあとは、タイで製造する車輪へ換装します」

 アディソンさんいわく車輪を変えるのは、日本の車輪とタイ国鉄のフランジ形状の規格が異なるため、タイ国産の車輪を使用する必要があるのです。

 台車の調整が済むと、再びレムチャバン港で台車と車体をつなげ、東線を回送してマッカサン工場へ入りました。17両は一挙に改造を施したわけではありません。工場内にはまだ手付かずの状態で留置されている車両が並びます。先行して改造されたのは、このうちの8両2編成でした。

 キハ183系の用途は、一般特急運用ではなく観光列車用です。車体部については全体的に錆びを落とし、傷んだ箇所の補修、室内のクリーニングが施されています。エンジン部分の点検整備は最も難しく、タイには存在しないエンジン型式のため金型も存在せず、点検整備にはかなり苦労したとのこと。また電気系統の図面が全て日本語表記のため、タイ語へ翻訳せねばなりません。アディソンさんは日本人の友人に手伝ってもらいながら翻訳したため、通常の列車整備工程よりも時間がかかりました。

もはや「レッドトレイン」!! 青くない14系客車(現地写真)

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コメント

1件のコメント

  1. L特急エンブレムって、嘘書かないで。

    あれは特急車両のエンブレム。

    L特急誕生のはるか前から存在していた。

    一般に間違った知識を与えないように気をつけて。