6ドア車も本領発揮! 日本時代より長くなった国鉄通勤車の今 インドネシアで見てきた
国鉄型205系はデビューから約40年が経過し、運行しているのはJR東日本の仙石線と南武支線の一部、富士急行線のみです。しかし赤道を越えた先のインドネシア・ジャカルタでは、最大勢力として活躍中です。
そもそも205系とは
205系電車は1985(昭和60)年に誕生した、国鉄初の軽量ステンレスボディの通勤形車両です。201系電車のデザインを踏襲しつつも、制御装置はコストを抑え、台車は構造を簡素化したことで、乗り心地の改良と軽量化、機器の低価格化と省エネ化を実現しました。

205系は国鉄の分割民営化後、JR東日本とJR西日本へ集中的に継承されています。JR東日本では代表格の山手線をはじめ、埼京線、横浜線、南武線、京葉線、武蔵野線、相模線など。ラッシュ時対応の6ドア車も誕生しました。JR西日本では京阪神を結ぶ緩行線などに使用されました。
また103系電車などの置き換えのため、中間車を先頭車化改造した車両が八高線や鶴見線、南武支線、仙石線に投入。一新されたフロントマスクが特徴です。
205系は国鉄末期からJR化後にかけて約1460両が製造され、首都圏と京阪神地区の顔となるほどの一大勢力を誇りましたが、後継となる新型車両の登場によって置き換えられ、2025年2月現在ではJR東日本の仙石線と南武支線、JR西日本の奈良線、中小私鉄への譲渡車両として富士急行線に残るのみです。
国内ではもはや“風前の灯”の存在ですが、一方の国外では大活躍しています。その場所は日本を南下して赤道を越えた、インドネシア・ジャカルタです。
首都ジャカルタは「JABODETABEK圏」と呼ばれる都市圏が形成され、都市間を結ぶ約477kmの「KCIコミューターライン」電鉄路線網があります。日本の円借款による援助と技術協力は1970年代から続けられ、2000(平成12)年以降は日本の中古電車が譲渡され、KCIコミューターラインで活躍してきました。
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