1日たったの1往復! JR九州の「激レア短距離特急」に乗ってみた 豪華な内装、でも料金はお得です
博多~直方間で1日1往復だけ運行される特急「かいおう」。名称は直方市出身の大相撲力士「魁皇」関にちなんでおり、存命中の人物に由来する列車名としては唯一です。運行は早朝と深夜なので、狙って乗車しないといけません。
各駅での利用状況は
出発直前に車内を巡ると、通常のグリーン車には3人、普通車5両には各車両15人程度が乗っていました。デラックスグリーンに座ると、リクライニング時に軋み音が。この設備は登場から20年なので無理もありません。ただし、運行開始から33年を経ても古いと感じさせない787系のデザインには、改めて感心させられました。とはいえ、その間にも普通車の肘掛けのテーブルが撤去されているなどわずかな変化はありますが。

さて、「行き違い電車が遅れているので、かいおう2号の出発も遅くなる」旨の案内があり、発車は4分遅れの21時41分でした。
21時45分、隣の吉塚駅に到着。2人が乗車してきました。ここからは22時5分着の桂川駅まで9駅連続で通過しますが、行き違いの関係か、あまり速度が出ません。
4分遅れのまま22時9分、桂川駅に到着。30人以上が下車しました。わずか28分の乗車時間でも大きな需要があるのだなと感じます。22時15分、2分遅れで飯塚駅に到着。ここでも14人程度が下車しました。
車内はがら空きになりつつも、22時18分に隣の新飯塚駅に到着。普通車から20人程度、グリーン車からも2人が降りました。結局、2分遅れは変わらず、22時31分に終点の直方駅へと到着。下車したのはグリーン車1人、普通車19人でした。下車客の大半は接続する普通列車の折尾行きには目もくれず、改札口へ急いでいました。
特急「かいおう」は、博多→門司港方面の特急「きらめき」のような混雑はないものの、車内で休んでいる人も多く、常連客を掴んでいるように感じました。コロナ禍の利用減から順調に回復すれば、もしかしたら2往復運行に戻る日も遠くないかもしれません。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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