戦車急造いまから間に合う? 自動車メーカーなど工場転換へ トランプ大統領も不満あらわな欧州事情
ロシア・ウクライナ戦争を経て、ヨーロッパでは自動車メーカーや鉄道車両メーカーが戦車の生産を始めようとしています。2010年代初頭の“雪解け”が一変した今、軍需企業の戦車製造ラインを停止したツケが回ってきている模様です。
鉄道車両と戦車は似ている!?
戦車メーカーのKNDSがなぜ、アルストムの鉄道車両工場を買収したのでしょうか。それは比較的短期間に低コストで生産ラインが転換できるからです。

工業製品としての鉄道車両と戦車には親和性があり、大型・重量物の製造設備ということでクレーンや大型加工機械が揃っています。鉄道車両の車体や台車には溶接・鋳造技術が使われており、この冶金技術は戦車製造にも応用できます。また、現代戦車の製造には高出力エンジン、トランスミッション、サスペンションが必要不可欠ですが、共通の駆動系技術も多くあります。ほかにも、鉄道車両工場は機関車や貨車の異なるモデルを組み立てる柔軟なライン設計がされていますが、これは戦車生産にも適合しやすく、設計変更や改良が頻繁に行われる戦時生産体制において有利になります。
第2次大戦では、例えばドイツであれば「ティーガー」重戦車をはじめとして各種軍用車両の開発並びに生産を担ったクルップ社やヘンシェル社が、鉄道車両や機関車のメーカーでした。対峙したソ連のT-34も機関車メーカーであるウラルヴァゴンザヴォードが生産の一端を担っています。アメリカでも、ボールドウィン・ロコモティブ・ワークスやプルマン・スタンダードなどがM3「リー」やM4「シャーマン」といった戦車の大量生産を手掛けていました。
また2025年3月、ドイツのラインメタル社のアルミン・パッパーガーCEOが、フォルクスワーゲン(VW)のオスナブリュック工場を取得して装甲車生産に転換する可能性を示唆しました。実現すればVWは第2次大戦で多用された「キューベルワーゲン」以来の軍用車生産となります。ラインメタルはすでに、自社の自動車部門工場を2つ弾薬生産へと転換しており、人材を衰退する自動車産業界から防衛産業へ転換しようとしています。
治金じゃなくて冶金(サンズイではなく、ニスイ)
基礎用語、それも分野を表すような基礎の基礎の言葉も知らずに記事を書くのばかりになったな。程度が分かるというもの
乗りものニュース編集部です。
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