なぜ熊本市電の追突事故起きた? 路面電車に安全システム付け難いワケ “ならでは”の理由も
自動車と比べ鉄道は、列車どうしの事故は圧倒的に少ない傾向にありますが、どのような方法で安全運行を保っているのでしょうか。熊本市電で発生した追突事故を例に考察してみます。
路面電車の場合はどうなる?
一方で、熊本市電をはじめとする路面電車では、閉そくによる列車間の安全確保を採用していない事例が多くあります。特に市街地で、自動車やオートバイなどと一緒に道路上を走る併用軌道の場合、路面電車だけに閉そくを設けるという考え方は現実的ではありません。
この場合、運転士が前方の見通しなどを考慮して運転しています。一般的な路面電車の場合では、軌道運転規則によって運転速度が定められているため、先行する車両に接近した際の速度なども、あらかじめ決められています。
路面電車は道路上で自動車と並走することもあり、スペースの観点からも信号機や保安装置を整備することが難しいことから、今回の熊本市電のような追突事故を完全に防ぐことは困難といえるでしょう。
安全運行の新しい取り組み
先述した通り、閉そくは線路を一定の区間で区切っていますが、これを列車や車両の動きに合わせて移動させることで列車間の安全確保を図るという、新しい方法が導入されつつあります。一例を挙げると無線式列車制御システムのCBTC(Communication Based Train Control)があります。これは、列車どうしで常に通信を行うことによって、お互いの位置を把握しあう仕組みです。

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