ブーム乗り遅れちゃった… スズキ的「モンキーの対抗馬」超ミニバイク 今や価格高騰“隠れた名車”に

1970年代に入り、各社がこぞってリリースしたのがレジャーバイクです。スズキでも、1971年にバンバンやホッパーなどがラインナップされましたが、その最終形態ともいえる1台が、じつは同社の隠れた名車ともいえるものでした。

レジャーバイクブームに乗り遅れた「スズキの隠れた名車」

 1960年代後半にホンダが打ち出したモンキー、ダックス、ハンターカブといったいわゆるレジャーバイクは、国内外で注目を浴びるようになり、1970年代に入ると他バイクメーカーをも巻き込む形で一大カテゴリーを確立しました。

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今なお密かなファンを持つスズキのレジャーバイク的モデル・エポ(画像:スズキ)。

 スズキでは1971(昭和46)年にバンバン、ホッパーといった原付レジャーバイクをリリースしましたが、結果的にこのカテゴリーの最終形となったのが、1979(昭和54)年リリースの「エポ」というモデルです。一見、モンキーと同等サイズの小さなレジャーバイクに見えますが、今でも密かなファンを持ち、「スズキの隠れた名車」とも言って良い個性を併せ持ったモデルでもありました。

 どことなく前述のホッパーの面影を残して登場したエポ。ホンダのレジャーバイク群がカブのエンジンを流用した4ストロークだったのに対し、エポは2ストロークの5速ミッション。最大出力は同時代のモンキーとほぼ同等だったものの、2ストローク特有のレスポンスの良さは、エポに軍配が上がりました。

 また、フレームのメインパイプはほぼ水平です。エポの最大の特徴となるこのパイプの上に、容量3.5Lという小さなガソリンタンクとシート、そしてパイプの下にエンジンやマフラーなどがまとめられており、唯一無二のコンセプチュアルなデザインでもあります。

 さらに、初代にして当時はまだ珍しかった角目ライトを搭載し、スポーティな印象を与えました。そのスポーティな雰囲気は足回りにも及び、ブーツを履かないフロントフォークもまた無骨なイメージを与えました。

 ここまでの通り、遠目に見ればかわいく映るエポでしたが、細部を凝視すると少々ヤンチャな印象も兼ね備えた個性的なレジャーバイクだったのでした。

 ただし、初代エポが登場した当時は、すでにレジャーバイクブームが終焉を迎え、スクーターブームに突入した時代です。そにため、エポはさほど注目を浴びることはありませんでした。

【なぜ怪人と…?】スズキの隠れた名車を色んな写真で(画像)

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