「2秒」で渋滞予防!? 広がる“車間時間”の概念 フレーズ唱えて間隔キープ

前を走るクルマとの間隔を「距離」ではなく「時間」で計る方法があります。高速道路で事故や渋滞を予防するために、車間距離ならぬ車間「時間」を約2秒キープしてほしいと、NEXCO東日本は呼び掛けています。

「2秒」のユニークな数え方

 高速道路調査会によると、このように車間距離を時間で捉える方法は世界中で見られ、特に欧米では一般的といいます。

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高速道路では車間距離確認標識(矢印)も設置されている(画像:PIXTA)

 必要とされる車間時間は国によって異なりますが、2010年開催の欧州道路管理者会議では「2秒」、または「時速(km/h)の半分の数字の車間距離(m)」が、特に適用できるルールと結論付けられたそうです。後者なら、車間距離は「100km/hならば50mでOK」ということになります。

 なお、車間時間2秒の「数え方」も国によって様々。例えばポルトガルでは「um crocodilo, dois crocodilos(ワニが1匹、ワニが2匹)」と唱えると2秒に相当する、といった語呂合わせによる方法が紹介されています。

 日本でも同様の方法が複数の警察から提案されています。埼玉県警は「0、1、0、2(ゼロ、イチ、ゼロ、ニ)」。「0(ゼロ)」をあえて2回加えて2秒間になるよう調整しています。福島県警いわき東警察署は「3・2・1・ヨシ」と唱える方法です。

 また、高速道路調査会は、例えば童謡『あめふり』の冒頭「♪あめあめふれふれ」の部分を歌うと、2秒を数えられるとしています。

 ちなみに「100km/hなら約100m必要」という車間距離の目安は、昭和40年代に東名高速が開通した際、当時の日本道路公団が作成したパンフレットでそう説明され、これが1978(昭和53)年、国家公安委員会の作成した「交通の方法に関する教則」に取り入れられて広まったものとされています。

 ただ、この目安について高速道路調査会は、「昭和40年代と比較して、自動車の性能向上により安全性が確保され、交通量が著しく増加した現代では、理想と現実が乖離(かいり)」していると前出の報告書で指摘しています。

【画像】これが車間時間「2秒」を計るフレーズです

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