東京メトロ唯一「初乗り運賃より安いきっぷ」が買えちゃう!? JR境界駅「綾瀬」特殊すぎる光景のオンパレード!

東京メトロ千代田線と常磐線各駅停車が接続する綾瀬駅は、ホームの駅名標や券売機などが境界駅ならではの仕様に。さらに発車メロディも列車ごとに異なります。ほかの駅にはないユニークな状況を観察してきました。

北千住までの運賃は「空白」?

 東京メトロ仕様のコンコースを抜け、改札口へ。券売機に目を向けてみると、他の境界駅と同様にメトロ・JR両社の券売機が並んでいます。運賃表も分かれており、JR線のものはずいぶんカラフルだなぁと眺めていると、一部の駅は2段書きになっています。

 実はこれ、山手線方面へ向かう際、隣の北千住でJR常磐線快速電車に乗り換えてJR線のみを利用するか、東京メトロ千代田線に乗って西日暮里で乗り換えるかという2通りの経路が存在することによるもの。なかなか珍しい運賃表です。

 では隣の北千住までの運賃は……とJRの運賃表を探してみると、駅名は記載されているのに金額は書かれていません。もしかして、と思い向こうの運賃表に目を向けてみると、ありました。東京メトロの運賃表に書かれています。北千住までは150円です。

 ……あれ、東京メトロの初乗り運賃は、きっぷで180円では???

 そう、確かに現状の初乗り運賃はきっぷが180円、ICが178円ですが、この区間はJRの料金で計算するというカラクリがあり、東京メトロでは珍しい150円の表記を見ることができるのです。券売機のタッチ式液晶画面には北千住専用のボタンがあり、発券されたきっぷも駅名表示の特殊なものでした。

 この区間の運賃計算は先ほどの乗車経路や2段書きの運賃にも関係しており、なかなか興味深い歴史や適用方法があります(が、複雑なので今回は省略します)。

 ところで、メトロ管理の駅だから、JRの券売機は機能が限定されているのでは……と思い見てみると、懐かしいロゴが。イオカードとオレンジカードではありませんか! もちろん、それぞれ現在も券売機で使用できますし、払い戻しも対応しています。ただ、最近これらのロゴは券売機のタッチ式液晶画面に表示されることがほとんどなので、イオカードのロゴが描かれた券売機は久しぶりに見た気がします。

 帰り際、ホームへ上がるとそこには小田急4000形の姿が。東京メトロ仕様の駅に現れた小田急の車両、それを乗り継ぐJR東日本の乗務員さん。綾瀬駅にはここでしか見られないおもしろさが詰まっていました。

【レア光景】綾瀬の「空欄の運賃」「券売機の懐かしロゴ」を見る(写真)

Writer:

幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。

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