「自律飛行のドローン100機にいきなり襲われる」本当にありえる話…世界の軍関係者も注目する戦場のハイテク技術
「DSEI Japan 2025」において、楽天がウクライナの最新イノベーションを支援する政府機関と共同ブースを設置。戦時下の国の最新技術とは、どのようなものなのでしょうか。
人が直接操作しなくても自爆ドローンは飛んでくる?
さらにウクライナでは、自爆ドローンや爆撃ドローンでの攻撃指示を行うソフトウェアも開発・実用化しています。SWARMERという会社が開発しているソフトウェアでは、偵察用のドローンで攻撃範囲を指示すると、自律飛行したドローンが周辺の車両などを自ら選定し、自爆攻撃を仕掛けます。その数は驚くべきもので、「約200~300機ほどのドローンを一気に動かすことができます」と明かします。

なお、実際の戦場ではこうした自律攻撃を行うドローンが、自爆ドローン攻撃全体の約5~15%使われているといいます。自律ドローンによる遠隔攻撃は、前線から比較的遠い、車両や武器を置いている場所を狙うためなどに使用することが多く、最前線では人による操作の方が多いとのことです。
ちなみに、この自律ドローン制御システムを見た、世界の軍関係の来場者は「攻撃する側」ではなく「攻撃される側」として、どう防衛するべきか、真剣な表情で考えていた人が多かったという話を聞きました。
このブースではどちらかというと安価かつ精密な装備やソフトウェアの展示が多かったですが、ブースのスタッフに話を聞くと、こうした技術がウクライナで本格的に開発され出したのは2014年3月に発生したロシアによるクリミア侵攻以降とのことです。オペレーターが発見されなければ人的被害がないドローンや、それを強化するソフトウェアを開発しなければ、装備や兵力で勝るロシアには対抗できないという危機感から技術革新が進んだとのことでした。
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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