防大初! 女性訓練部長の目に映った“驚きの学生”とは?「自衛隊変えなきゃ」と感じたキッカケ
防衛大学校の訓練部長のポストに女性自衛官が就任しました。この訓練部長は、防大の女子学生第一期生。母校に返ってきた彼女の目に、今の学生はどう映っているのでしょうか。語ってもらいました。
もっと外に出て、いろんな景色を見てほしい
防衛大学校の女子第一期生として入校し、いまは訓練部長として学生たちを見守っている東 良子海将補。最終回の第3回では、訓練部長として防大に戻ってきてからのハナシをお届けします。

「防大を卒業すると、その後の人生でも『防大』という繋がりが生きてくるんです」と東将補は語ります。
同じ経験をしてきた仲間がいる……。それは安心感でもあり、現場での連携の強みにもなっていくとのこと。ただ、だからこそ「防大出身者だけではダメ」とも感じているそうで、一般大学など異なる経歴を持つ幹部と一緒に働くことで、自衛隊という組織はバランスを保ち、より良い答えを見つけていけると語っていました。多様性を取り入れることが組織を強くする秘訣みたいです。
防大のいまの学生について尋ねてみると「本当にしっかりしている」と笑顔を見せてくれました。とくに学生隊の学生長などとはよく話す機会があるそうで、真面目でよく考え、自分の頭で行動できる学生が多い印象とのこと。ただ、一方で学生たちに「ちょっと人との距離のとり方が苦手そうだな」と感じる場面もあるとか。
スマートフォン(スマホ)が普及したいま、休日も外出せず部屋にこもりがちな学生も多いそうで「もっと外に出て、いろんな景色を見てほしい」とやさしい口調で述べていました。これは防大に限らず、いまの若い世代全体に言えることなのかもしれません。
ところで、今回の取材では東将補から「サンドハースト競技会に出る学生たちをぜひ取材してほしい」というようなリクエストもいただきました。サンドハーストはアメリカで行われる士官学生のオリンピックとも言われる競技会です。
出場希望者は多く、毎年定員オーバーという人気ぶり。過酷な訓練のなかで自身の限界を見つめ、乗り越えようとする場でもあります。最初は「自分の限界を知りたい」と語っていた学生たちも、やがて「このチームのために自分はどうあるべきか」と考えるようになるそうで、まさに究極のフォロワーシップと自己成長が詰まった経験です。思わずペンを握る手に力がこもりました。
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